誰でも簡単に飼育することができて、誰でも簡単に繁殖させることができる身近な生き物といえば、最もメジャーなペットである犬や猫などではなくて、我らがアクアリウムの帝王とも言えるミナミヌマエビになります。
確かに、犬とか猫も容易に数を増やすことはできますけど、ミナミヌマエビと比較するその容易さや増える個体数は桁違いと言いますか、比較にすらならないくらいの個体数が数匹のミナミヌマエビから誕生しますから、これほど増やしやすい生き物はなかなかありません。
メダカの繁殖に関しては簡単そうに見えて結構手間がかかります。
メダカも同様に簡単に飼育できますし増やすことができますけど、メダカの場合は飼育者が卵や稚魚を隔離しないと全て親メダカに餌として捕食されてしまいますし、稚魚が誕生しても手間暇をかけて育てないと殆どが死んでしまいます。
もともと、メダカが子孫を残す戦略としては、殆どの卵や稚魚が最終的な成魚になることはないので、大量の卵を産み付ける作戦ですから、殆どの個体が育つことはなくても、それが正しい流れなのですが、飼育者としては多く育って欲しい訳です。
ミナミヌマエビであれば飼育だけだなく繁殖もとても簡単。
その点、ミナミヌマエビの場合はそれすらも凌駕していて、飼育者が何もしなくても勝手に増えていきますし、親エビが稚エビを捕食することはありませんから、極端な話、水槽の中にミナミヌマエビだけを入れていれば勝手に繁殖をしてくような流れになります。
稚エビを捕食するメダカなどが水槽にいない場合、屋外水槽に入れておくだけで夏場であれば爆発的に繁殖していきますので、ボウフラ対策さえしっかりしておけば、何もせずに増やすことも可能です。
とても簡単なミナミヌマエビの飼育と繁殖は、これまで生き物を育てて繁殖させたことがない人にとっては、まさにお勧めの生き物であることには代わりはないようです。
生まれたばかりのミナミヌマエビの稚エビはとても小さくて可愛い。
どのような生き物であっても同様のことがいえるのですけど、生まれたばかりの赤ちゃんというのは大抵は見た目が可愛くて、見ているだけで癒されることが多く、それはミナミヌマエビであっても同様です。
大きさ数ミリのとても小さなエビなのですが、親と全く同じ形状をしていて、親と全く同じ餌を食べますし、親が稚エビを襲うこともありませんから、水槽の中に餌を入れると集団で集まって、大きさ関係なく餌を食べているのがいわゆるエビ団子と呼ばれている姿ですね。
ただ、最初は小さくて可愛かったミナミヌマエビも、どんどん成長をしていき3cmくらいの大きさになった際にはあまり可愛いとは言えなくなってきますから、できればなるべく小さい期間を長く保ちたいと考える人がいてもおかしくはありません。
そのような方法があるのか?と言えば、いろいろな飼育を試してきた結果、現時点では一つだけその方法がありますから、そちらについてのご説明になります。
ミナミヌマエビを成長させずに小さいまま飼育する方法とは?
普通に水槽の中に入れて育てていると、最初は数ミリ程度の大きさだったミナミヌマエビもどんどん大きくなり、やがて1cmを超えて繁殖できる大きさになった後には、最終的には3cm前後にまで早い期間で成長します。
寿命が短いミナミヌマエビは成長がとても早いので、あっという間に稚エビが大きくなるのが特徴です。
これは生き物ですから当然の結果になるのですけど、出来ればなるべく小さいままのミナミヌマエビでいて欲しいと思う人もいるでしょうから、その場合は大きくならないように育てていきたいと思うのが人情ですね。
餌を与えずに成長を遅らせる方法が通用しないのがミナミヌマエビ。
ただし、普通に育てていると、全く餌を与えなくてもどんどん成長していくのがミナミヌマエビになるので、餌を与えなくて成長を止めるといったピラルクなどの大型魚の稚魚で行っている対策は通用しません。
熱帯魚店で売られているピラルクの稚魚については、ほとんど餌を与えずに成長を止めて栄養失調の状態で水槽の中で生かしていますから、極端に目だけが大きくなっている個体もありますので、そういった個体は購入するべきではありません。
まあ、ピラルク自体普通の人が飼育できる魚ではありませんし、ピラルクを売っている業者もどうなのかとは思いますけどね・・・・。
一応、大量に餌を与えたミナミヌマエビと全く餌を与えないミナミヌマエビでは、若干の成長速度に違いは出てくるのですが、実際にはそれほど大した差はなくて、すぐに3cmくらいの大きさまで成長するのです。
ミナミヌマエビを小さく育てる方法はスドーのサテライトL。
これまで、いろいろな環境や方法でミナミヌマエビを飼育繁殖させてきていましたが、その中で唯一ミナミヌマエビが成長を殆ど行わず、小さいまま飼育できている環境がスドーのサテライトLを水槽に利用した環境になります。
なぜ、スドーのサテライトLで飼育すると成長が極端に遅くなるのかは分かりませんけど、水槽全体が全体が透明であるので、ミナミヌマエビの感覚がおかしくなっているのが要因なのかもしれません。
もしくは、私が育てているミナミヌマエビの個体差?
飼育方法としては、サテライトLの中にギリギリ入るくらいの足場の流木を沈めておき、隠れ家件餌場として利用して、マツモも適当に中に入れておけばよくて、餌もメダカの餌を大量に与えているのですが、なかなかミナミヌマエビは成長しません。
殆ど全てのミナミヌマエビが小さいままの状態ですから、同じ時期に生まれたミナミヌマエビの半分以下の大きさの個体ばかりです。
まれに、サテライトLから脱走して本水槽に侵入したミナミヌマエビはあっと言う間に大きく成長していますから、やはり周囲全てが透明な水槽ですから、成長を止める何かしらの影響がサテライトLにあるのかもしれません。
単に小さなプラケースを利用して室内環境でミナミヌマエビを育てた場合は濾過の問題で長期的な飼育は難しいですし、この方法は屋外水槽では使えませんので、室内水槽で小さなミナミヌマエビを飼育したい人に向いている方法になります。