ミナミヌマエビを飼育していると、自然下でも、同じような環境で生息している水生生物を同じ水槽で飼育したいと考える事がよくあります。
水槽にお飾りのようなインテリア性を求めているような人ではなくて、日本の自然をそのまま小さなスペースで再現したいと思っている人であれば、なおさらその傾向が強いでしょう。
自然の流木を購入して、自然の水草を購入して、実際にミナミヌマエビが自然界で生息している環境を水槽の中に作って楽しむ喜びを覚えてくると、そうなります。
その時点で、特に問題もない安定した水槽環境になっているでしょうから、新しい生体を投入しようとする取り組みは賢い考え方です。
こうなってくると、段階的にミナミヌマエビ、メダカ、ヒメタニシなど、比較的小型の生体を同じ水槽で飼育している訳ですが、この時に、初めて大型の魚の導入もしてみたいと思う事になります。
その大型の魚というのはドジョウの事です。
大型といっても、ミナミヌマエビと比べたら大きいだけの話であり、ドジョウそのものは10cm程度の大きさですから、他の魚の餌用として扱われる事も多い魚です。
残念ながら、ドジョウの大きさを超えるような魚は、ミナミヌマエビと同じ水槽で飼育することは大変困難ですから、ドジョウが最大クラスの大きさになるでしょうか?
ウナギなどでしたら、一晩でミナミヌマエビがいなくなってしまうくらいです。
しかし、ここである疑念が出てくる事になります。
ドジョウとミナミヌマエビを同じ水槽で飼育して問題がないのか?といった話です。
当然ですが、大きさがかなり異なる訳ですし、ドジョウは雑食性ですから、ミナミヌマエビが食べられてしまうのでは?と考えてしまうのも当然の話です。
一般的には、ドジョウとミナミヌマエビを同じ水槽で飼育しても問題はありません。
ドジョウがミナミヌマエビを襲って食べる事はあまりないとは思いますが、絶対にない訳ではありませんので、そちらについては事前に把握しておく必要はありますね。
ただし、ドジョウによっても種類によってはミナミヌマエビを積極的に襲うだけでなくて、メダカまで襲って食べてしまうドジョウもいますので、そちらに関しては注意しておくと良いでしょう。
スーパーで食用として売られているドジョウは大変危険
ペットショップなどでドジョウを購入すると、その価格が一匹500円前後くらいですから、あまり安くないため、どうしても安く売られているスーパーで購入しようと思う方が出てくるかもしれません。
しかし、スーパーで売られている食用のドジョウを購入して、ミナミヌマエビの水槽に入れるのはやめておいたほうが無難です。
実際に私が、スーパーでグラム単位で売られている価格の安いドジョウを購入してきて、ミナミヌマエビとメダカがいる水槽に入れた事があるのですが、とても大変でした。
なんと、ドジョウたちが、一斉にメダカを襲って飛びかかって食べてしまっていますし、ミナミヌマエビに対しても、襲いかかって食べてしまう始末です。
その光景を見ていると頭にきたので、そのドジョウたちはピラニアの水槽にすぐに移し替えた事があったのですが、とても素早い動きでメダカやドジョウを襲って食べていました。
ピラニアはあっという間にドジョウに襲いかかって、ドジョウは生きたまま体をかじられまくっていましたが、これが本来のスーパーで売られているドジョウの利用方法です。
まあ、本来は人間が食べるために売られているのですが・・・。
おそらくは、スーパーで売られているドジョウというのは、中国産などのマドジョウの仲間が亜種だとは思うのですが、食用なので体が大きくて、多分餌も全くない状態で長期間において雑に扱われている可能性があります。
ザリガニの餌などを与えてみると、とても下品に餌を食べますから、見ていてもあまり気持ちが良いものではありませんでした。
長期間において、泥抜きをかねて、全く餌を食べていないドジョウでしたら、水槽内にミナミヌマエビやメダカがいたら、襲いかかってしまうのも無理はないかもしれません。
海外のドジョウだから凶暴性が高いのかについては、よく分かりませんが、食用として扱われているドジョウは、ペット用として売られているドジョウとは別物と考えたほうが良いかもしれません。
偶然、特定の個体とか、特定の地域で捕獲された個体のみが、ミナミヌマエビやメダカを襲っていただけなのかもしれませんが、そういったリスクがある以上は、なるべくスーパーで売られている食用ドジョウを求めるのは避けたほうが良いですね。
オススメはシマドジョウかスジシマドジョウ
ミナミヌマエビとドジョウの同じ水槽での飼育自体、普通は全く問題ありません。
ペットショップで売られているマドジョウでしたら、一匹100円前後と安いですし、ミナミヌマエビを積極的に襲う事もないようです。
また、ミナミヌマエビの繁殖力自体が大変強いので、ドジョウが餌がない場合には、自然と襲って食べたりするかもしれませんが、これまで、それでミナミヌマエビが絶滅したりいなくなった事は1度もありません。
ですから、ペットショップで普通にドジョウとして売られている個体でしたら、特別な心配をする必要はないかと思います。
ただし、アジメドジョウはダメです。
購入してはいけないドジョウについては、アジメドジョウと呼ばれているドジョウです。
その理由は、生息している自然環境が水温が冷たくて身が綺麗な清流に該当する場所になるため、強力なろ過装置と水温15度前後でキープできる水槽クーラーが必要になるからです。
アジメドジョウ自体が、夏場は流通していませんし、冬場だけの流通ですから、滅多に売られていないのですが、価格が高いので価値があるドジョウと判断して、安易に購入しないようにしてください。
お金がたくさんあって、アジメドジョウの飼育を可能な人であれば、購入してその水槽にミナミヌマエビを同居させても良いでしょうけど、そうなるとメインはドジョウの飼育になるでしょう。
素人の方が飼育すると、管理法が難しくて手間暇がかかるアジメドジョウは、必ず早い段階で死んでしまいます。
スーパーのドジョウに関しては、個体や出荷元、状態によっては、普通にミナミヌマエビやメダカと同居できるかもしれませんが、個人的にはあまりオススメできません。