水槽内のコケや余った植物性の餌を積極的に食べてくれるオトシンネグロ、オトシンクルス等の吸い付きナマズの仲間は、大きさも小型で5cm以下くらいの大きさですから、セルフィンプレコのように50cmクラスの大きさのプレコと違い扱いやすいです。
コケ取り最強の魚といえば、セルフィンプレコが圧倒的な能力なのですが、ペットショップで売られている時は5cm位の大きさですし、コケ取りに強い魚ってポップで売られていることも多いのですけど、あっという間に30cm位の大きさまで成長する魚です。
セルフィンプレコは大型水槽でアロワナとかピラルクーなどの大型の肉食魚を飼育しているオーバーフロー水槽でコケ取りをしてくれる魚として飼育するのが適切で、60cm以下の水槽でコケ取りに期待をするなら、オトシンネグロ、オトシンクルスですね。
オトシンがメダカのように水槽内で勝手に増えない理由。
オトシンやプレコの特徴としては小型の種類でも寿命が長いことであり、普通に5年以上生きる魚ですから、メダカやミナミヌマエビと比較すると、環境さえ良ければとても長生きをするので、長期間に渡って飼育している人も珍しくないのが特徴なのです。
よく相談をされるのが、オトシンを飼育しているけど、全く増えないとか産卵は何度かしていて卵も産み付けていたけど、稚魚が全く育たなくいつの間にか消えてしまっていると言った内容で、これはメダカを飼育繁殖している感覚だと絶対に増えません。
その理由なんですが、実はオトシンという魚は親は植物性の苔やプレコタブレットを餌としていますが、卵から孵化した稚魚はお腹のヨーサックがなくなると、ある程度成長するまでは動物性の生きたプランクトンしか食べないのでこれが増えない原因です。
オトシンの稚魚はミジンコやブラインシュリンプしか食べない。
以前からオトシンネグロの飼育をしていて、水槽内で何度も産卵をして、その後に透明の可愛い稚魚が卵から生まれてきて、水槽内をコミカルに泳いでいるのを見て成長するのを楽しみにしていたのですが、初めの頃は何度孵化しても水槽から消えていました。
それで、原因が分からなかったのですが、インペリアルゼブラプレコとかネオンテトラの稚魚の飼育をする時と同じく、もしかしたらオトシンの稚魚は生きたブラインシュリンプしか食べないのでは?と思いブラインシュリンプを与えたらバクバク食べました。
その為、水槽内でオトシンの稚魚を隔離せずにそのまま放置飼育をしていると、捕食する天敵のメダカなどが一切いなくても、オトシンの稚魚は餌を食べることが出来ずに餓死してしまう為、孵化してから一週間位で水槽の中からいなくなってしまいます。
オトシンの稚魚が孵化したらスポイトでサテライトLに移動。
その後、オトシンの稚魚がブラインシュリンプしか食べないのを知ってからは、稚魚が孵化したら水槽からスポイトで捕獲して、サテライトLに移動させて飼育するようにしたのですが、毎朝大量のブラインシュリンプを入れておけば、餌も1回だけで大丈夫。
それからは、100匹単位でオトシンを増やすことが出来るようになり、安定して増やしていくことになる訳ですが、オトシンは一度産卵を始めると、数回に渡って結構多くの卵を産み付けるので、結構大量に増やすことが出来る魚ですから繁殖も楽しいです。
サテライトLの場合、大量にブラインシュリンプを入れておけば暫くは持ちますし、余って本水槽に流されたブラインシュリンプはエビが積極的に食べてくれますので、お勧めできる飼育環境なのですが、オトシンは産卵を促さないと卵を簡単には生みません。