日本の室内環境で設置された水槽で最も必要な飼育器具といえば、実は水槽クーラーであり、日本の夏は室温が異常に高くなる為、レッドビーシュリンプや海水魚、25度以下の水温が必要になる生体の場合は、必ずと言っていいほど水槽クーラーが設置されています。
熱帯魚なのに日本の夏場はあまりに暑すぎて落ちていくわけですから、いかに日本の夏が過酷な条件であるかがわかりますし、その環境でも落ちないメダカやミナミヌマエビの凄さも再認識できる話になります。
日本原産の魚とかエビは、清流に生息している一部の個体を除いて、日本の四季に合わせて低温から高温まで幅広い環境に耐えれるようにできていますから、世界的に見ても最も扱いやすい生体ばかりです。
人間は珍しい個体や生き物以外は大切にしない傾向にあります。
しかし、幅広い温度に対応出来る能力の結果、日本ではどこでも容易に見られる為、珍しくないものは大事にしないといった人間の都合の関係上、あまり大事な扱いを受けておらず、自然に生息している範囲が急激に狭くなっているのもまた事実です。
日本原産で珍しい個体で言えば、すでに絶滅してしまったトキなどは、政府レベルでとても大事にされていますが、メダカやミナミヌマエビが同様に大事にされてきたなどは聞いた事がありませんから、今でも誰も重要としていないようです。
その為、特に野生のメダカは危機的な状況にあるようなのですが、全く保護活動もされておらず、一部では絶滅の危機にあるとまで言われています。
水槽クーラーは温度を下げることしかできません。
あまり商業的な価値がないメダカやミナミヌマエビであっても、暑い夏場に気を使って水槽クーラーを設置している人や、レッドビーシュリンプなどのそれなりの商業価値がある個体故に水槽クーラーを設置している人まで、いろいろな人がいるかと思います。
そのような多種多様な人たちであっても、その環境が日本である場合は、冬場になると必ず気温が低くなりますから、室内水槽の水温が25度を超えるような事は殆どなくなり、水槽クーラーを設置する意味が物理的になくなります。
水槽クーラーと言うのは、設定された温度よりも水温が上がった場合、設定されている温度まで水温を下げる為の飼育器具であり、設定温度よりも下がってしまった水槽の場合は全く意味がありません。
水槽クーラーという名前の都合で、室内用の温度管理ができるエアコンと勘違いしている人も多いのですけど、水温が下がってしまった場合で、水温を指定の温度まで温める場合はヒーターを利用します。
水槽クーラーに表示されている水温計に関しては、水が常時巡回している訳であり、他の水温計よりも正確ですから、それを利用するメリットはありますが・・・。
夏場に設置した水槽クーラーは11月を過ぎると撤去した方が良いのか?
実際に、水槽クーラーに取り付けられている温度計を利用してサーモスタットとして使用する事が可能な水槽クーラーも沢山あるのですが・・・。
必ず水槽の下側に置かないといけないし、水槽台の中にもいれれないといった水槽クーラーの都合上、ヒーターのサーモスタットとしては使いにくい事が多い為、ヒーターに関しては単独で利用する事が多くなります。
よって、水槽クーラーというのは、11月を過ぎた時点で全く意味がない道具になり、単純に水槽下付近のスペースとわずかな電気代を余計に消費しているだけの存在になるのですが、この場合は水槽クーラーを撤去した方が良いのでしょうか?
こちらについては、それぞれの管理者の考え方によって異なってくるのですが、私の場合は水槽クーラーを撤去することななくて、年中無休でずっと使用しています。
その理由は、機械物というのは一度使うのをやめると、再度利用する際には極端に調子が悪くなることがりますし、水槽クーラーの場合は水を扱う機械ですから、余計にその傾向にあるのではないか?と考えられるからです。
一般的に機械ものは常時動かしていた方が壊れにくことが多い。
常時利用している方が負担かがかかるのではないか?と思われるかもしれませんが、機械物の場合は定期的なメンテナンスは必要ですけど、一定期間使用して、また一定期間使用しないといった使い方をしている方が、何かと問題が発生することが多いようです。
よって、個人的には一度設置した水槽クーラーは壊れるまでその場所で使用し続けるのが良いといった判断なのですが、こちらについては人によっては全く異なる考え方の人もいるでしょうから、絶対的なものではありません。
結果的に、どのような利用方法であっても、水槽クーラーが壊れずに長期間にわたって利用できれば良い訳です。
それを考えると、水槽クーラーを常時設置していてこれまでに一度も不具合が出たことがありませんから、この常時使い続けるという結果は間違った考え方ではないと言えるのかもしれません。