春から秋にかけて、メダカやミナミヌマエビなどは大量に大繁殖を繰り返す訳ですが、それらの稚魚や稚エビが屋外水槽内で自然繁殖するために欠かせない存在であるのが、水草のホテイアオイになります。
ホテイアオイがたくさん浮かんでいる水槽と、全くない水槽ではメダカやミナミヌマエビの稚魚や稚エビの生存率が大きく異なりますから、自然の防壁と言えます。
親メダカがいると同じ水槽内のメダカの稚魚やミナミヌマエビの稚エビを食べてしまうため、意図的に飼育者が隔離しないといけません。
別に大量繁殖を目指している人でない場合は、それをしない場合でも大量のホテイアオイが浮かんでいればそれが防御壁及び餌場になるため、植物優先のビオトープなどでも一定数の子孫がそこで自然と繁殖していきます。
メダカの飼育に役立つホテイアオイは実は最も危険な外来植物。
ホテイアオイというのは外来の水草であり、元々は日本で自生していなかった水草なのですが、すでに日本全国の自然環境化で根付いてしまっているので、ホテイアオイが外来の水草であったことを知らない人も多くなっているのではないでしょうか?
春から秋にかけてホームセンターに行けば、ホテイアオイは必ず売れらている水草の一つですから、アクアリウムに関心がなくてもガーデニングコーナーの辺りで一度は見たことのある方も多いでしょう。
そのようなホテイアオイですが、特殊なメタハラ照明などの環境を除き、室内水槽では成長できない水草でも有名であり、太陽の光でないと育てることができないのですが、もう一つの外来植物の特徴として日本の冬に大変弱いといった特徴があります。
11月になると屋外水槽のホテイアオイが一斉に枯れている理由。
暑かった夏も過ぎて涼しくなった10月も過ぎてくると、いよいよ冬到来の11月になる訳ですが、この時期になると屋外水槽のメダカが心配になるくらい一気に気温が低くなります。
この時期に屋外水槽のホテイアオイを見ると、なんだか茶色くなったり黒くなってしまっているホテイアオイが見かけられるようになり、しばらくするとバラバラに溶けてしまってホテイアオイが水槽から消滅してしまうといった状態になることがあります。
先月までは、普通に緑色で元気だったホテイアオイが水槽からなくなってしまう訳ですけど、これは寒くなったからホテイアオイが枯れてしまっているのでしょうか?
ホテイアオイはもともと日本に自生している水草ではないので寒さに弱い為、日本の冬の環境では枯れてしまって越冬できないといった認識がありますから、11月になって一斉にホテイアオイが枯れ始めてもあまり気にしない人が多いようです。
しかし、実際には寒くなったからホテイアオイが一斉に枯れ始めたのではなくて、他の理由で枯れている事の方が多いですから、枯れているようであればホテイアオイを注意して確認すると良いでしょう。
枯れているホテイアオイをよく見ると蜘蛛の巣が沢山付いている?
屋外水槽に浮かべていたホテイアオイが11月になって一斉に枯れ始めた場合、それが回復不能な末期状態になっていれば真っ黒にな色をしていますから、こうなってしまったらもう捨てるしかありません。
枯れている部分が茶色い状態で中央部分に緑色がまだ残っている場合は、回復する見込みがありますので、枯れてしまっている理由さえ特定して改善策を施せば11月であっても元々強い生存能力がある為自然に回復してくれます。
そこで、枯れているホテイアオイをよく見ていると、蜘蛛の巣のような白い糸が沢山付いてる場合があり、さらによく見ると赤色の小さな斑点が沢山付いている場合があります。
この状態は、害虫である小さなアブラムシが大量に寄生していて、ホテイアオイの栄養を枯れるまで集団で吸い尽くしている状態です。
一度アブラムシに寄生されたホテアオイは100%枯れてしまいます。
11月になり、それまで元気だったホテイアオイが一斉に枯れ始めた場合は、大抵この赤色のアブラムシが原因であることが多いですから、別に寒くなってホテイアオイで枯れている訳ではなくて、大量の害虫に栄養を吸い取られて枯れている状態です。
害虫もどこからやってくるのか知りませんが、自分たちの生存をかけて栄養価の高いホテイアオイを見つけたら、それに一斉に寄生してから枯れるまでホテイアオイで卵を生みつつ増殖しつづけますから、本当に厄介な相手です。
屋外水槽に浮かべているホテイアオイが一斉に枯れ始めた場合は、寒くなっているから枯れている訳ではなくて、実は害虫に寄生されて栄養を吸い取られ続けて枯れていることが多いですから、1ヶ月に一度は確認をする方が良いでしょう。
東京都内であれば、荒木田土を厚めに敷いた屋外水槽に浮かべておくだけで、ホテイアオイは越冬できますし、11月でも12月でも株分けしながら増えていきますので、茶色の状態に枯れている場合は急いで害虫を除去しましょう。