一般的な家庭に設置できる水槽の濾過システムとしては最強とも言えるのがオーバーフロー水槽になるのですが、大変価格が高くなりますし、その後の維持費も高額で構造上、稼動時には結構な騒音が発生します。
※最も水が安定する24時間水道水垂れ流しの水槽については、相当な資金力があり高額なアジアアロワナ等を飼育している人向けの濾過システムですから、どう考えても一般家庭向けではありませんので、そちらは除外しています。
オーバーフロー水槽は魚やエビの飼育には大変強いのですが、実は二酸化炭素が抜ける為水草の育成には向いていませんし、水草メインの水槽でオーバーフロー水槽を使っている人は殆んどいません。
しかし、オーバーフロー水槽の大きな濾過槽に大量のろ材が入っているのを見るといかにも水が綺麗になりそうですし、メンテナンスも大変容易ですし、何より本水槽の見た目が大変スッキリしますから、見た目重視なら断然オーバーフロー水槽になります。
オーバーフロー水槽は他の濾過システムよりも見た目がスッキリ。
オーバーフロー水槽を初めて見た方であれば、水槽がとてもスッキリしているので大変驚く方もいるかもしれませんが、なぜ、水槽の見た目が他の水槽よりもスッキリしているのでしょうか?
例えば、上部式の濾過フィルターの場合は、水槽の上部に大きな濾過フィルターが載せられていて、水槽の上側の大部分がそれでふさがってしまい邪魔であるとか、見た目が気になるとか、そういった状態になるかと思います。
アクアリウムを始めて間も無い初心者の方が管理している水槽を除き、水草水槽であるとかレッドビーシュリンプの水槽であれば、水槽に上部式濾過フィルターを設置している方は殆んどいないと思います。
また、エーハイム2213のような外部式濾過フィルターの場合は、ホースやストレーナー、パイプなどが水槽の周辺に沢山取り付けられていて、見た目が邪魔だな?とか思うこともあるのですが、オーバーフロー水槽にはそういったものが一切ありません。
オーバーフロー水槽にはヒーターやクーラーを設置しなくても良い?
オーバーフロー水槽を見ていると、水槽の見た目がスッキリしているのですが、更には水槽用のヒーターすら設置されていない事が普通ですし、水槽クーラーも見当たらないので、本当に水槽がスッキリしています。
しかし、流石にいくら濾過性能が高いとはいえ、ヒーターやクーラーを設置していないと飼育が困難な魚やエビが水槽内にいるのに、一体どの様な管理方法をしているのでしょうか?
まさか、オーバーフロー水槽ならヒーターもクーラーも設置しなくても温度管理が自動で最適に設定される?、まさかそんな訳はありませんから、どこかで必ず温度管理をしているはずですね。
オーバーフロー水槽がスッキリしている秘密は濾過槽にアリ。
アクアリウムに関心を持ったばかりの人であればよく分からない人も多いのですが、その仕組みはとても簡単で、オーバーフロー水槽というのは濾過槽そのものがもう一つの水槽になっています。
早い話が水槽を2個用意して、片方の水槽全体を濾過専用に使用している為、濾過用の水槽中にヒーターやクーラーを設置しておけば勝手に温度調節がされますし、濾過用の水槽は普通は見えない様にキャビネットの中に隠している事が多いのです。
その為、水槽の見た目は大変スッキリしているのに、温度管理もきちんとできているという訳ですから、余計な配線や水槽内の邪魔なものは一切なくす事ができるのです。
水族館のバックヤード(水槽の裏側の見えない部分)がそのままオーバーフロー水槽の濾過フィルターになっていると思ったらわかりやすいかもしれません。
初心者には本当に分からないけど仕組みは簡単なのがアクアリウム。
水槽管理に慣れている人でしたら、そんなの当たり前だろう?と思うかもしれませんが、メダカの始めたばかりの人や、これから興味を持ってアクアリウムを始める人には本当に分からない世界ですから、ぜひ知っておいて欲しいのです。
まさに、小型の水族館がご自宅に誕生したかのごとく、機能だけではなくてその見た目にも大変優れているオーバーフロー水槽なのですが、やはり価格が高いことや大きいサイズの水槽が基本ですから、なかなか一般の人にはとっつきにくい部分もあります。
その為、ここ最近ではサイズが小さい水槽にもオーバーフロー水槽を採用している商品が出てきているので、興味があればそちらを検討しても良いかもしれません。