現在、観賞用の水槽の苔取り用の貝として重宝されている日本固有種のタニシや、食用として日本に持ち込まれた外来種のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)等が日本全国の川や田んぼ等で見られますがタニシは元々貴重な食料だったのをご存知でしょうか?
もちろん、近代になって日本に持ち込まれたジャンボタニシは別ですが、ヒメタニシやマルタニシなどは、江戸時代よりもはるか昔から、農家等の食料として田んぼの恵み的な扱いで採取されていて、ドジョウなども同じく、食料として扱われていました。
現在では、タニシを食用として重宝している人は先ずおらず、せいぜいが水槽のお掃除担当要員、もしくは大型の鯉の餌などとして扱われていますが、タニシは毒なども持っておらず、普通に淡水の大型の貝ですから、調理をすれば食べることも可能です。
タニシは食べることが出来るの?元々は食用でした。
タニシは繁殖力も強く、生命力も強く、成長速度も早いですし、日本の気候にマッチした淡水の貝なので、田んぼなどがあれば、その周辺で爆発的に増えることも多く、食糧難で困っている農民からすれば、簡単に採取できる貴重な食料だったのは当然ですね。
調理法としては、絶対に生で食べてはいけませんってのは淡水の生き物共通の話であり、海水にて生息しているアワビとかサザエのように、タニシを刺し身とか踊り食いみたいな感じで食べてしまうと、寄生虫にやられてしまい、そのまま死んでしまいます。
確か、料理で大変有名な魯山人って人も、タニシが大好物で、生でタニシを食べまくっていて、それで寄生虫にやられてしまい、お亡くなりになったって聞いたことがありますが、生で食べると食通にはたまらない魅了されたものが、タニシにはあるのかな?
なぜ?現在の日本人はタニシを食べないのか?
では、魯山人がそれだけ大好物だったタニシをなぜ?現在の日本人は食べないのか?、正式にはタニシではありませんが、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)なんか、増えすぎて農家の人が困っているなら、食用として販売すればよいのでは?って疑問です。
これの答えはとても簡単で、現在の日本は平安時代とか、戦国時代、江戸時代等のように食料に困るって状態になって、天明の大飢饉等の大飢饉が発生することも無くなっているので、その状態でタニシを食料として必要とする人が誰一人いないからです。
その為、元で0円で大量に増えるジャンボタニシについても、大量に捕獲しても商業的な価値が全く無いので、農家の人にとっては迷惑千万な外来生物にすぎず、万が一タニシを食べないと生きていけないって状況になったのであれば、人類が終了する時かな。
ジャンボタニシは食用で持ち込まれて投棄された。
現在、農家の人にとっては最悪と言われている、ジャンボタニシについても、元々はごく近代に食用として持ち込まれたものであり、その後、ジャンボタニシを養殖しても利益にならないことがわかり、投棄したバカがいて、それが自然界に広まりました。
これ、カダヤシとか、マングスース、ウシガエル等も同じなんですけど、勝手に、知識がない日本人が外来種を持ち込み、商売にならないから、適切な処分をせずにそのまま投棄する、その結果、後々の子孫達が大迷惑を被る・・・、これが繰り返されてます。
現在、アクアリウムショップなどで、魚や貝を購入すると、違法投棄はやめましょうってプリントされたビニール袋を渡されることが多いのですが、そもそも、違法投棄をしまくってきたのは、一体誰なのか?ジャンボタニシもある意味迷惑しているでしょう。
タニシに興味があり、調理をして食べる場合、必ず火を通して調理をすることが重要で、タニシの味そのものは、海で取れる貝とよく似ていますので、だったら海の貝を食べればよいだけって感じですが、魯山人が生で食べまくっていたので、珍味かもです。