有害生物ジャンボタニシと日本原産タニシの違い

アクアリウムを楽しんでいる人であれば、強力なコケ取り生物であるタニシを水槽に入れる人もいますし、若干問題はありますが、ピンクラムズホーン等の貝類を水槽に入れる人も多く、特にレッドビーシュリンプの水槽ではラムズホーンが人気になります。

ここで、ピンクラムズホーンについては、元々海外原産のラムズホーンと呼ばれている地味な色の貝が突然変異して、殻が透明になり、ボディーがピンク色の綺麗な色になったものを固定化したもので、メダカで言えばヒメダカのような扱いの貝になります。

一方、タニシについては日本原産で古来から日本の田んぼや小川に生息をしていて、500円玉くらいの大型になるマルタニシ、それよりも少し小さいヒメタニシといった感じで、田舎であれば何処でも見かけるくらい日本の環境に適した貝になります。

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有害生物ジャンボタニシと日本原産タニシの違い。

 

そこで、タニシを購入しようとしていると、ジャンボタニシと呼ばれているものすごく大きなタニシを見かけることがあり、その大きさはマルタニシやヒメタニシとは桁違いに大きいので、コケ取り能力も高いのでは?と思ってしまう人もいて相談を受けます。

しかし、このジャンボタニシというのは、元々日本には生息していない外来種であり、かつて食用に日本に輸入した無責任な連中が、その後に廃棄した個体が自然界で圧倒的な繁殖力により爆発的に増えまくってしまい、日本全国で見られるようになりました。

見た目がタニシによく似ているのでジャンボタニシと呼ばれていますが、実際は「スクミリンゴガイ」という名称の貝であり、日本のタニシとは全く関係なく、繁殖方法も卵を産卵して増えるタイプなので、この点だけを見ても日本のタニシとは別物なのです。

また、ジャンボタニシは成長も早く、人間の拳くらいの大きさに成長をすること、自然化では天敵が殆ど居ないことから、爆発的に増える要素ばかりしか無いので、人間が駆除をしていかないと、今後、更にジャンボタニシには増え続ける状態になります。

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ジャンボタニシ「スクミリンゴガイ」は何故有害なのか?

 

ジャンボタニシについては、マルタニシやヒメタニシと同じく、田んぼ付近で大量に発生しているんですが、決定的な違いというのは、日本のタニシは苔などを食べて成長をしていますが、ジャンボタニシは田んぼの稲そのものを食べ尽くしてしまうのです。

その結果、ジャンボタニシが大発生した田んぼでは、駆除をしておかないと田んぼの稲が壊滅状態になってしまう恐れがありますので、それゆえに有害生物として扱われているんですが、何故か特定外来生物には指定されておらず、今後の対策が重要課題です。

マルタニシやヒメタニシは産卵の際に卵を何処かに産み付けるのではなく、そのまま稚貝が親タニシの中で生まれて親と同じ形でそのまま生まれてくるんですけど、ジャンボタニシは大量のピンク色の卵をコンクリートや稲等に産み付けるのが問題になります。

 

 

田んぼでカルガモを見かけたらジャンボタニシ対策?

 

ピンク色の不気味な卵を大量に田んぼ付近に産み付けるジャンボタニシについては、元々大きな貝なので、産卵する卵の数も半端ではなく、水中でなく陸上に産み付けるのがポイントなんですけど、こんな目立つ卵なのに何故?異常に繁殖するのかの謎?

これについては、卵に猛毒が含まれており、ジャンボタニシの卵を捕食する生物が日本国内には基本的に居ない為、産卵したジャンボタニシの卵は人間が駆除しないと、その殆どが孵化する事になり、その結果、大量のジャンボタニシが増え続ける仕組みです。

農家の方のジャンボタニシの被害は甚大で農薬を使うとドジョウなども死んでしまいますが、それ以上にコストが掛かりすぎることから負担が大きくなるんですけど、そこでジャンボタニシの天敵でもあるカルガモを田んぼで飼育している農家が増えています。

カルガモを田んぼで見かける事が多くなっていますが、あれはジャンボタニシを駆除することが最大の目的であり、農薬も使わず他の害虫などもカルガモが食べまくるのとフンが栄養になるので、趣味で田んぼでカルガモを飼育している訳ではありません。



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