淡水魚は何故危険を覚悟で海水域に移動するの?

暑い日本の夏でも、水量がある程度安定している水槽であれば、水槽クーラー無しでも安心できるのが日淡と呼ばれている、もともと日本の自然に生息をしている淡水魚になるんですけど、特に金魚や錦鯉、メダカ等は高水温にも耐えれて飼育が特に容易です。

逆に、日淡でも、イワナやアマゴ、アジメドジョウやアユカケ、オイカワ等は川の上流域に生息をしているので、飼育する場合は夏場は水槽クーラーが必須になり、より巨大な水槽と強力なろ過フィルターが必要になりますので、飼育が難しい種類になります。

その中でも、川の上流域に生息をしていて、そこで産卵をしているのに、なぜか生まれたばかりの稚魚が危険を覚悟で川を下って、海水域、汽水域に移動してそこである程度の大きさに成長をして、また川の上流に戻っていくボウズハゼのような魚がいます。

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淡水魚は何故危険を覚悟で海水域に移動するの?

 

この川の上流から河口、海に向かって移動をするので有名なエビがヤマトヌマエビになり、ミナミヌマエビよりも巨大で、大量の卵をお腹にくっつけているのを見て、繁殖をさせようとする人がいるんですが、通常の淡水水槽では100%繁殖は出来ません。

魚もエビも同じなんですが、淡水域のみで生息をして繁殖を終える個体と、通常は上流域や中流域に居て、産卵もそこで行うのに、なぜか稚魚や卵が川を下って海に移動する個体もいて、このあたりが面白いところなんですが、後者の繁殖は難しくなります。

淡水魚が捕食者に襲われるのを覚悟で、川を下って海に移動する理由は、実は餌になるプランクトンが海水付近では豊富な為、それを狙ってわざわざ川を下って行き、ある程度成長をしたら、また上流域に移動をするのですが、これにも理由があります。

 

 

実は親と子供では食べる餌が違う種類の魚が居ます。

 

プレコやオトシンネグロ等、プレコ系の魚の繁殖をした事がある人ならご存知だと思いますが、親個体の餌は植物性の餌しか食べず、動物性の餌は全く食べないのですが、実は稚魚やある程度成長をするまでは、植物性の餌が食べれない種類の魚が結構居ます。

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ボウズハゼもその中の一種類なんですが、プレコの繁殖でも親と同じプレコタブレットを稚魚に与えても食べずに全滅をしてしまったけど、どうしたらいい?との相談を受けることもあるんですが、これは稚魚は動物性のプランクトンしか食べないのが原因。

植物性の餌を食べるというのは自然界ではそれなりの藻や苔を削り取るパワーが必要になるんですけど、生まれたばかりの稚魚にはそれがないので餌を食べることが出来ず、水中を浮遊している栄養価の高い動物性プランクトンを食べて成長をしていきます。

 

 

進化の過程で親と子供が食べる餌が違うのが面白い。

 

普通に考えれば、小さなボウズハゼのような魚が川の上流域から海がある河口域まで移動するのは、相当なリスクが有り、その間に捕食者である他の肉食魚や鳥等に襲われてしまうので、だったら、同じ場所で生息すれば良いって人間なら考えてしまいます。

しかし、進化過程で、親と子供が違う餌を食べる種類の魚が生存競争に生き残ってきて、今でもその工程をくりかえしている訳ですから、これには明確な理由がある訳で、親と子供が違う餌を食べる個体が生き残った事実が全てを物語っている訳なのです。

途中で捕食されることを計算にして、より多くの卵を上流で産卵し、個体数を増やしまくることにより、捕食者から逃げれる個体が生き残っている訳で、淡水から海水へ移動する魚の何故?の答えは、そう進化した種類の魚が生き残る事が出来たからです。

淡水魚や淡水エビでも、稚魚、ゾエア(ヤマトヌマエビの卵から生まれたばかりの子供の事)等は淡水域では生きられず、餌が豊富な海に移動をして、汽水域や海水域である程度成長をしてから、また、上流に移動して産卵をする個体の繁殖は難しくなります。



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Updated: 2019年7月25日 — 3:08 PM