水草を新規で購入したら、しばらくしたら水槽の中に勝手にタニシが発生したので、ラキーって話をしている人がいたんですけど、これ、完全に勘違いをしているようで、タニシは直接親の貝から、親と同じ形状で生まれてきますので、卵は産み付けません。
案外知らない人が多いんですけど、日本原産のマルタニシ、ヒメタニシは、卵を産み付けることはありませんし、ジャンボタニシと呼ばれている巨大なタニシのような貝は、実はタニシではなく、外来種になるので、毒入りの紫色の卵を大量に産み付けます。
ですから、水草を購入して、タニシが付いているのであれば、購入時にすぐに分かりますし、販売店側もあからさまにタニシが付いている水草を販売することはありませんし、小さな生まれたばかりのタニシでも、数ミリ位はあるので直ぐに判別出来ます。
水草を購入したらタニシが付いてきた?それ違う。
水草を購入して、最初から大きなマルタニシ、ヒメタニシがついてきているなら、販売店がサービスで入れてくれた可能性があるのかもしれませんが、水草は出荷時に最低限の水洗いを必ずしますので、もし水草にタニシの子供が付いていたら確実に落ちます。
それでも落ちないのは、実はタニシでは無く、スネールと呼ばれているサカマキガイ等の卵が水草に付着していて、これは水洗いしたくらいでは簡単には取れませんので、それが水草の葉っぱの裏側などに付着していた場合、数日後くらいに稚貝が生まれます。
大抵、水草を購入してそれを水槽に入れていたら、勝手にタニシが生まれてきたって話している人のほぼ全てが、このスネールと呼ばれているサカマキガイ等の卵が水草についてきていて、それが孵化した結果であり、タニシではなくスネールが侵入してます。
タニシでなくてもスネールが無料ならオトクなのでは?
水槽内に勝手に発生している貝は、実はタニシではなくスネールですと説明すると、うーん、タニシでなくても同じ貝なんだから、スネールでもお得でしょう?って話す人もいるんですが、こういう人はスネールの恐ろしさを知らないので、仕方がないですね。
スネールという貝は、アクアリウムにおいて、殆どの環境でヒドラなどと同じく害虫扱いされている貝であり、その繁殖力は桁違いであり、卵から孵化までも他のどの貝よりも早く、成長速度も早いので、あっという間に水槽の中がスネールだらけになります。
そうなった時には対策方法としてはリセットをするしかない状態になることも多く、水草や流木などのあらゆる場所に次から次から卵を産卵していき、水槽内がスネールだらけになってしまって、なにこれ?と驚き、その時にはもう手遅れになってしまいます。
スネールはメダカやエビを襲わないのに何故問題?
この水草に卵が付着していて、いつの間にか侵入をしてくるスネールですが、別にマムシのような猛毒を持っているわけでもなく、イモガイのように水槽内の魚やエビを襲って食べることもなく、水草を全て食い尽くすこともないのに何が問題なの?との相談。
実際にスネールはなにか攻撃的な実害を発生させる訳ではありませんので、特に気にならない人もいるのかもしれませんが、そのまま放置しておくと水槽内はスネールだらけになってしまい、最終的に水槽が崩壊したり、他の生き物が死んでしまったりします。
襲われなくてもろ過能力を超えてしまったら、スネール以外の生物から死んでいきますし、水槽内に数百匹、数千匹のスネールだらけになってしまうと、見た目も良くないですし、一体何の為に水槽を設置しているのかすら分からなくなってしまうとどうなる?
結局、スネールを大量に飼育したい人なら別でしょうけど、そんな人は今まで一人も見たことがありませんし、魚やエビを飼育して水草を綺麗にレイアウトして水槽を管理しているのであれば、一度でもスネールが侵入するとどうなるのかはよく分かりますね。