8月前後の猛暑の際には爆発的に水槽内で増殖をしてしまい、一週間もあればあっというまに水槽全体を埋め尽くす様になる水草といえば、みなさんご存知のマツモになります。
マツモはその驚異的な増殖性能と耐久性により、日本の環境に一年中適応できる大変丈夫な水草であり、その驚異的な増殖性から水をより綺麗にする水草であると言われています。
成長が早い水草というのは、その分水槽内の有害物質などを吸収して成長しているといった認識がされていますので、この考え方は間違ってはないとは思うのですが、実際に水草の成長速度と水槽内の有害物質の残留量については正確なデータを見ないとなんとも言えないところです。
マツモは浮き草であり地面から生えている水草ではありません。
結構勘違いしている方が多いのですけど、水草というのは水底の土から生えているものであり、必ず土に根っこが埋まっているといった感覚になってしまう人が多いのですが、マツモの場合は若干状況が異なります。
一般的な水草でしたら大抵は根っこというものがあり、それが地面の底の土に埋まっていて水面の太陽に向かって葉と茎がまっすぐ伸びている感覚で間違いはないのですけど、マツモの場合はそもそも根っこというものがありません。
根っこがないのにどうやって水底の土から生えてくるのか?といった疑問については、根っこがないのですから、地面から生えてくる水草ではないといった考え方が適切になるのではないでしょうか?
案外知られていないのですけど、マツモは本来水面にプカプカ浮かんでいるタイプの水草であり、ホテイアオイのように水面から上に出ることはないのですが、特に特定の場所から根を生やしている訳ではなくて、適当に浮かびながら水中で増殖していく様な水草なのです。
ペットショップなどでは、水槽の底面の大磯やソイルなどに埋められた状態で販売されていたり、イメージ写真が撮影されていることが多いですから、ついついそのイメージで認識してしまう人が多いんですね。
12月になって寒くなるとマツモが縮んで水底に転がっている?
マツモといえばミナミヌマエビの稚エビのシェルターになったり、メダカの産卵場所になったりしますし、圧倒的な繁殖力ですから放置しておくだけで良い水草なので屋外水槽用には最適な水草です。
ただし、あまりの繁殖性能により、夏場は一週間に1回くらいの割合で間引きをしないと水槽内がマツモだらけになってしまって、メダカが動けなくなりますから、結構手入れが大変といえば大変な水草です。
しかし、9月10月と過ぎていくと、あれだけ大量に増え続けていたマツモの成長がピタッと止まり間引きをする必要がなくなり、水面に浮かんでいたマツモが段々水底に沈んでいく様な状態になっていきます。
気になる方は、屋外水槽のマツモを見ればわかりますけど、段々マツモが水底に沈んでいき、成長が止まって一部が水面に浮かんでいる様な結構理想的な状態に変化していますので、いつもこの様な状態だったらよいのにな?と感じることでしょう。
水槽内を覆い尽くす様に増殖をする夏場のマツモには、何回間引きしてもあっという間に増えているので、その対策に結構手を焼くことが多いですからね。
それが12月になると、マツモの状態が更に変わってきて、その殆どが太く短く縮んでしまって水底に沈んでいる状態になっているでしょうから、この様なマツモを見て枯れてしまっているのでは?と心配になる人もいるかもしれません。
本来のマツモは細くて広くギザギザの葉を広げているような水草ですから、それが萎んだ様に知人で水底に沈んでいたら枯れているのでは?と感じるのは普通ですから、後はその状態でどの様な対策をすれば良いのかになりますね。
12月から3月にかけてマツモが縮んで水底に沈んでいるのは通常通り。
寒い時期になると、マツモは小さく縮んで水槽の底に沈んでしまうのは通常通りなので、この場合には特に何もする必要はなく、そのまま放置しておけば大丈夫です。
3月を過ぎて4月になった頃には、小さく縮んで底に沈んでいたマツモが勝手に水面付近に浮かんできて葉を広げ始めますので、単純に寒いときにはマツモは底に沈んで、暖かくなると水面付近まで浮かんでくると覚えておけば問題ありません。
屋外水槽に氷が張る様なとても寒い状態になっても、マツモはそのまま水槽の底に沈んだまま生き続けますから、寒い時期になるとその様にしておいた方が生存率が高くなるからその様な個体だけが生き残ってきたのかもしれませんね。
かつての氷河時代などは、地球全体が長期間において氷に埋め尽くされていたと言われていますから、その様な状況下で水面付近に浮かんでいたら氷に閉ざされてあっという間に枯れてしまいますから、あえて水底に沈むことにより冬眠活動の様な状態になっているのかもしれません。
この水底に沈んだ状態で全く光が当たらない環境を作ると、その後にマツモがどの様な状態になるのかについてはまだ実験をしていませんから、興味がある方は色々とマツモの寒い時期の実験をしてみるのも良いでしょう。