最も厄介な水槽への侵入者の正体とは?|イトタヌキモ

水槽を設置している人であれば、その水槽の中に全く水草がない状態というのは、オーバーフロー式のろ過装置で大型の魚を飼育しているような、底面に何も敷いていないベアタンクの水槽くらいではないでしょうか?

普通のメダカなどの小型の魚やミナミヌマエビを飼育している水槽であれば、必ずと言っていいほど水槽の中に水草が植えられているでしょうし、その水草も複数レイアウトされて丁寧に水槽に植えられている事でしょう。

特にミナミヌマエビやレッドビーシュリンプを飼育している水槽の場合は、足場や稚エビの育つ場所になる水草がある事が必須になりますので、特殊な環境を除き、必ず水草が植えられているはずです。

そういった水草を全て撤去しないといけない、早い話が水槽をリセットしないといけない状態になるのが、今回ご紹介する水槽への侵入者の話であり、最も厄介な侵入者になります。

しかし、その実態は水槽の管理に慣れている人であっても、実はあまり知られていない不思議な存在でもあるのがこの相手の面白いところです。

 

 

その最も厄介な侵入者は他の水草に紛れてやってくる。

 

前回ご紹介したウキクサもそうなのですが、この類の厄介な侵入者というのは、その殆どが、新しく水槽に投入する水草に紛れ込んで水槽の中に侵入してきます。

寄生虫とか害虫なども全く同じで、新しく水槽の中に水草を投入する際は注意をして厳密なチェックをしないといけないのですが、それにも限度があることや、無農薬状態でなければエビ類に問題が出る為、駆除に農薬を使うこともできません。

水草類の場合は農薬をしても排除することはできませんから、目視で判断するしかないと言えますし、安全な育成環境で育った水草のみを使えば、そういったトラブルになることもありません。

それを考えると、水草を購入する場合、譲って頂く場合は、その水草がどのような環境で育っていたのかを確認するか、信頼できそうな相手から分けてもらうのが一番良いのかもしれません。

そうはいっても、水草を譲ってくれる親しい相手がいないとそれもかないませんから、結局は購入時や譲っていただいた際に、管理者が自ら最終確認をするのがベストであると言えます。

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一度でも水槽に侵入されると最も厄介な侵入者はイトタヌキモ。

 

いつの間にか水槽に侵入してくる、最も厄介な侵入者の正体というのは、実は水草のイトタヌキモになります。

イトタヌキモといった名前の水草自体知らない人が圧倒的に多くて、大変マイナーな水草になるのですが、このイトタヌキモが一度でも水槽に侵入してきた水草水槽というのは、最終的にリセットをしないといけなくなるくらいなので、要注意です。

また、イトタヌキモの特徴として、その名の通り糸のように細くて、触ると直ぐに切断されてしまい、そこからまた増殖をしていくといった、プラナリアのような特徴を持つ水草になります。

このイトタヌキモが一度でも水槽に侵入してきた場合は、それを取り除こうと思っても、触ると直ぐに分裂して細切れになって水中を飛散して他の水草に絡まってしまい、糸のように細いことから取り除くのも困難なのです。

細切れになったイトタヌキモの破片が、水槽の中に散らばり、それが水草の隙間や濾過フィルター、流木に絡まるなど、あらゆる隙間めがけて水中を飛散していきますから、さあ大変。

特に水草水槽の場合は致命的であり、イトタヌキモが一度でも侵入した水草水槽というのは、その殆どが完全なリセットをしないといけなくなり、これまで育てきた水草も使えなくなってしまいます。

それを考えると、イトタヌキモはウキクサをはるかに超える、最も危険な侵入者の一つであり、意図的にイトタヌキモを育てない限りは、その侵入を絶対に防がないといけない水草であると言えます。

 

 

最初から分かっていて育てるなら案外面白いのがイトタヌキモ。

 

イトタヌキモは繁殖力が大変強くて、その生命力も半端ではありませんので、水槽の中で触って細切れになって破片が散らばっても、その破片から新しいイトタヌキモが更に誕生するような感じです。

ただ、イトタヌキモのことを知っていて、イトタヌキモだけをミナミヌマエビやレッドビーシュリンプの水槽で育てると、淡水の水草ではなくて、海水の水草のように成長していきますから、案外いい感じになります。

ウィローモスなどを茂らした水槽も良いのですが、それだとメジャーすぎて飽きてしまっているような人であれば、海水の水草のようなイトタヌキモをエビの産卵場所や足場として用意していくのも良いですね。

その場合は、イトタヌキモが他の水槽に混ざってしまわないように注意が必要なのですが、それさえ注意しておけば、結構魅力的な演出をしてくれるであろう、イトタヌキモですから、興味がありましたらぜひ育ててみてください。

イトタヌキモの飼育方法は極めて簡単で、単純に普通の魚やエビを飼育している水槽に入れておくだけで構いません。

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