ミナミヌマエビの飼育をしていると、余程問題のある環境でない場合、水温が25度以上であれば勝手に産卵活動をするようになり、単独飼育の場合、数カ月後には水槽内でミナミヌマエビが増えすぎて逆に困ってしまう位の状態になるので驚く人も多いです。
この際に、ミナミヌマエビのメスはお腹に卵を抱えて20日から30日前後の期間、卵を守りつつ孵化させるまでお腹に卵をぶら下げている訳ですが、この卵がお腹から外れてしまった場合は、稚エビが卵から誕生することはなくて卵が腐って死んでしまいます。
また、抱卵中のミナミヌマエビが死んでしまった場合も同様で、その際に卵をメダカの卵のように捕獲してから、サテライトなどで孵化させようとしても孵化することはありませんので、ミナミヌマエビの卵がお腹から外れた時点でその卵は終了するわけです。
抱卵しているミナミヌマエビの卵が外れても孵化する?
これまで、ミナミヌマエビの卵を採取してみて、それが孵化したことは一度もないので、ミナミヌマエビが抱卵している卵がお腹から外れた場合は孵化しないって状態になるのですが、本格的な研究施設で実験をすれば孵化させることは可能かもしれません。
しかし、一般家庭の環境ではミナミヌマエビが抱卵をしている卵がお腹から外れた時点でその卵を孵化させることは出来ないと宣言しても問題はありませんから、ミナミヌマエビのメスが死んでしまった場合、卵を放棄した場合はその卵は諦める事になります。
ミナミヌマエビが抱卵をしている卵がお腹から外れたら孵化しない理由は、何かしらの栄養的な物質がメスの体から出ているのではないか?と思うのですが、単に新鮮な水を送り続けるだけで良ければ、お腹から外れた卵を孵化させることも出来ますからね。
何故?ミナミヌマエビが抱卵している卵を放棄するのか?
抱卵しているミナミヌマエビを観察していると分かるんですけど、稀に抱卵をしている卵を放棄するメスがいて、原因はストレスなのか?、もう孵化しないって判断したのか?、単なる気まぐれなのかよく分かりませんが、卵を捨ててしまうことがあります。
ミナミヌマエビの卵がどのような仕組みでメスのお腹にくっついていて、簡単には外れない状態になっているのか分かりませんが、メスが自分の意志で卵を外すって処理が出来るのであれば、やはり、何かの物質で抱卵している卵を管理している事になります。
メスが大事な卵を放棄するって余程の理由なんでしょうけど、水槽の水質に問題がなくて水温も適切な場合、やはり抱卵しているメスの個体差的な問題が発生していて、それで卵を放棄する訳ですから、ミナミヌマエビにも感情があるのかもしれませんね。
ミナミヌマエビの卵を採取して人工孵化させるにどうすれば?
ミナミヌマエビの卵を採取して人工的に孵化させても、商業的な価値は殆どないのかもしれませんが、個人でそれをやってグローバルに公開をすると、今の時代誰がコンテンツを見ているか分かりませんから、意外な人や団体から連絡がくるかもしれません。
ただ、普通の方法でミナミヌマエビのメスから卵を採取しても、決して人工的に孵化することはありませんから、先ずは、どのような仕組みで卵が雌のお腹にくっついていて、簡単に外れないのか?、これを知っておく必要があるのではないか?と思います。
ミナミヌマエビのメスが、自分の意志で卵を放棄出来る仕組みになっていることも知っておいたほうが良くて、多分、これらがお腹から外れた卵が簡単には孵化できない理由になっていると思いますから、興味がある方は人工孵化にチャレンジしてみて下さい。
たかがミナミヌマエビなんですけど、産卵については謎が多い生き物ですね。