日本のどこでも生息しているダボハゼ(ヌマチチブ)は海でも汽水でも、淡水域でも生息することが出来る大変スーパーな耐性を持っている魚なんですけど、飼育魚としても釣り魚としても、大変人気がなくて、商業的価値もまったくないのは有名な話です。
何しろ、どこでも簡単に釣れる魚であり、ハゼ(マハゼ)釣りの際の最大の外道魚と認定されていて、ハゼ釣りの釣り場にはダボハゼが大量に捨てられている事も多くて、ダボハゼを釣り上げた釣り人が激怒してその場で叩きつけて殺してしまう事が多いです。
また、観賞魚としてもダボハゼは人気がなくて、見た目も地味で真っ黒いヌメヌメの体をしていることから飼育をしても楽しくないのかもしれませんが、実は大変飼育は容易で汚れた環境にも強いのですが、飼育をするメリットを感じる人が殆どないのですね。
ダボハゼを水槽で飼育すると必ず1匹になる理由と修羅の国。
ついでに言えば、ダボハゼはマハゼよりも簡単により広範囲に渡って釣ることが出来るのですが、誰もダボハゼを持ち帰らない理由は、単純に食べても不味いからであり、天ぷら雑煮に入れれば大変に美味しいマハゼとは全く別の魚なので見向きもされません。
こちらの何処に行っても嫌われているダボハゼを、ミナミヌマエビを使って近くの海で30匹ほど釣り上げましたので、今回60㎝海水水槽にて飼育することにしたのですが、海で釣ったダボハゼですけど、水道水をそのまま混ぜても死なないのが凄い所です。
暫く飼育をしてみるとすぐに分かるんですけど、30匹のダボハゼは餌をきちんと与えていても、共食いを初めてしまい、自分よりも大きな個体にすら平気で食いつく始末で、口から噛み付いたダボハゼの体が半分以上もハミ出ているなども普通にあります。
隠れ家を作っても共食いは止まらずに最終的には1匹しか残らない?
150㎝位の大きな水槽で隠れ家などをキチンと作っていれば、ダボハゼも共食いを避けることが出来るのかもしれませんが、60㎝水槽にサンゴを敷き詰めて、ドカン等の隠れ家を作っても、どうしても縄張り争いや共食い競争が始まってしまうようですね。
北斗の拳で修羅の国ってのがあって、男子の生存率は1%って話が結構有名ですけど、ダボハゼの飼育は正にそれであり、何でもかんでも簡単に食いつくことから、大変バカなハゼ・・・これがダボハゼの由来なので、一匹のみの単独飼育以外は難しいです。
ダボハゼを飼育している水槽環境と言うのは、相当大きな水槽でもない限り、殆ど北斗の拳の修羅の国のような状態になり、自分の縄張りに入ってきた他のダボハゼを片っ端から襲って食べてしまいますので、単独飼育をするのがベストな管理方法になります。
飼育難易度は大変容易でも飼育する人が殆どいないダボハゼ。
ダボハゼは海水、汽水、淡水、どのような環境でも対応することが出来ますし、水が相当悪化していても簡単には死なない魚で、水温も相当な範囲に対応できて、餌もなんでも食べることから、飼育自体はとても容易なのですが、飼育する人は殆どいません。
ミナミヌマエビやメダカのように飼育をしていれば、簡単に増やせる魚ではなくて、共食いを始めてしまってそれが収まることすらありませんし、見た目も地味で綺麗ではありませんし、見ていて頭が悪そうな印象しかないこともあり、人気がないのですね。
このように、飼育難易度が容易であっても誰も飼育しないって魚も世の中には存在していて、釣り魚としても簡単かつ大量に釣ることが出来るのに、殆どの人がその場で殺してしまって放り投げている訳ですから、食用としても不人気なダボハゼになります。
ただ、ダボハゼも愛嬌のある顔立ちをしていますので、兎に角飼育が容易な魚を飼育指定みたいのであれば、そのへんの海や川に行って適当に釣り竿を垂らしていると勝手に食いついてくるダボハゼを持ち帰り、飼育を始めてみるのも良いかと思います。
ちなみに、マハゼの釣り以外でも、河川でテナガエビの釣をする際に、必ず外道として沢山釣れるのがこのダボハゼで、何処に行っても根強く繁殖しているのがわかります。