ミナミヌマエビの飼育を始めると、最初は単独飼育をしていたとしても、段々それでは寂しくなってくる事があります。
レッドビーシュリンプのように、カラフルな色ではありませんから、離れて水槽を見ると何もないような水槽になってしまいますし、普段は物陰に隠れているような習性ですから、繁殖期以外は活発に動き回る事はありません。
体色も半透明な個体が殆どですから、自然と水槽の砂利やソイル、水草に馴染んでしまって、知らない人がみれば、何がいるのか分からない水槽である事さえあります。
そんなミナミヌマエビの水槽に、タンクメイトとして道教させる場合はどのような生態が向いているのでしょうか?
ヤマトヌマエビはあまりお勧めできません
例えば、同じ日本原産の淡水エビの仲間である、ヤマトヌマエビなどは体がとても大きくて攻撃的で、ダボハゼすら攻撃するような個体もあります。
ダボハゼは自分と同じくらいの大きさの同類を食べてしまうくらいの魚ですから、ヤマトヌマエビでも餌になる可能性はありますが、その大きさや個体によっては、餌として認識されない事も普通にあります。
そのような大きなエビをミナミヌマエビと同居させる事は、コケ取り要員扱いであり、数が減ってきたら補充すれば良いといった考え方以外の場合は、全くもってお勧めできません。
繁殖水槽であったり、ミナミヌマエビがメインの水槽の場合は、ヤマトヌマエビはやめておいたほうが良い個体になりますが、巨大な水槽の場合はこの限りではありません。
大抵は、ミナミヌマエビの飼育水槽というのは30cm水槽から60cm水槽の間くらいですので、それを考えると、別の水槽で飼育するべき生体になります。
レッドビーシュリンプはどうなのか?
生息できる環境、繁殖力は全く異なりますが、ミナミヌマエビよりも、一回りくらい体が小さいレッドビーシュリンプはどうなのか?といえば、ミナミヌマエビメインでしたら問題はないかと思います。
ただ、レッドビーシュリンプ自体が高価なエビである事や、それを水槽に入れる事によって、どう見てもミナミヌマエビのほうがおまけに見えてしまう事もありますから、観賞用としては、同居はやめておいたほうが良いかもしれません。
魚メインの水槽とか、水草メインの水槽であれば、ミナミヌマエビ、レッドビーシュリンプ、など混合して少ない数の個体を入れるのは良いでしょうけど、ミナミヌマエビが主体になる水槽ではできれば控えておいたほうが良いですね。
レッドビーシュリンプの飼育環境というのは、水質もシビアになり、水温も25度前後でヒーターと水槽クーラーを使いながらの運用になる事が普通です。
そうなると、ミナミヌマエビからすれば、一年中繁殖できる最適な環境を提供してもらっている事になり、とんでもない繁殖力で、水槽を埋め尽くす事にもなりかねません。
ミナミヌマエビとの同居はメダカがお勧め
やはり、同じ日本原産の生体であり、生息環境がことごとく一致するメダカが、最もミナミヌマエビとの同居には向いているでしょう。
水温、水質、餌、どれを取っても、ミナミヌマエビとメダカは一致する部分が多くなりますから、この組み合わせで飼育をすると、飼育環境を選ばない飼育方法が可能になります。
室内水槽、屋外水槽、春夏秋冬、どれを取っても、メダカとミナミヌマエビは完全に一致する事ばかりです。
本来、自然界でも似たような環境で生息している生体同士ですから、今後もそれは変わる事なく、末長く続く事になると思います。
メダカとミナミヌマエビの同居は何が良いのか?
メダカとミナミヌマエビを同じ水槽で同居させる事によって、ミナミヌマエビが爆発的に増殖する事を防ぐ事ができます。
ミナミヌマエビというのは、それくらい爆発的に増殖するため、ある程度の抑止力ないと、水槽のバランスが崩壊したり、いろいろな問題が発生してしまう事になります。
また、メダカが積極的に生餌を捕獲するようになり、室内環境の水槽であっても、より自然に近い状態で、メダカが生息する事ができます。
人口の粉末状の餌に関しては、自然界にないものですけど、ミナミヌマエビの稚エビでしたら、自然界では普通にたくさんいて、いろいろな生物が餌として捕獲しているはずです。
屋外水槽の場合は、ミナミヌマエビだけの単独飼育の場合は、確かに水槽の限界まで大量にミナミヌマエビが増殖するのですけど、それに合わせてボウフラも大量に水槽に発生してしまいます。
ボウフラが大量に水槽内に発生する事によって、水質の悪化が始まりますし、その水槽を媒体として、蚊の成虫が沢山近辺に発生する事になります。
ご近所さんに多大なる迷惑をかけてしまうだけでなくて、最悪はその場所で生活すらできなくなったり、屋外の水槽を撤去しないといけなくなる事もあります。
ご自宅内に蚊の成虫が大量に侵入してくる事も、当然発生します。
それを防いでくれるのがメダカになりますから、ミナミヌマエビを屋外で飼育していて、爆発的な増殖を求めていない場合は、必ずメダカを同居させるようにしておくと、後で余計なトラブルに巻き込まれなくなります。
メダカとミナミヌマエビを同居させても、お互い、一定の個体数が増えていき、その環境の中で世代交代をしながら、自然な環境が作られていきます。
そうなると、後は水を継ぎ足すだけで済みますから、自動的に自然環境が作られていき、そこでメダカやミナミヌマエビが生息している事になります。
人知れず、メダカやミナミヌマエビが生息しているのは、自然界と同じ状態になりますから、メダカやミナミヌマエビも大変リラックスして過ごせるのかもしれませんね。