ミナミヌマエビの飼育に当たっては、屋外飼育限定の話になりますけど、極論で言えば、水槽と水さえあればどのような場所であっても、飼育や繁殖が容易に可能です。
※ただし、気温が低い北海道などの冬場に極端に寒くなる地域は除きます。
なんと!餌すら全くj与えずに、放置しておくだけでその場所で生息する能力があるミナミヌマエビなのですが、できれば、水槽にマツモやホテイアオイ等の水草を適当に追加してあげておくと、ミナミヌマエビにとっては大変優しい環境になります。
エビ系の飼育環境には足場の水草が重要
常に水中を泳いでいる魚系の生体とは異なり、エビ系の生体というのは、必ずどこかに自分の足で、しがみついて生息しています。
常時、エビが水中を泳ぎまわるようなことはありませんし、それほど遊泳能力も高くないため、そのようなことをしていると、自然界ではすぐに魚に食べられてしまいます。
あまり体力もなくて、反撃能力もなく、泳ぐ速度も遅いですから、魚から見ればこれほど安心して捕食できる餌は他になかなかありません。
ミナミヌマエビに限らず、エビの存在自体が、魚から見れば、大変貴重なご馳走ですから、エビが水中を泳ぎまわることはない訳ですね。
唯一の例外が、繁殖をする際にパートナーを探している時にのみ、エビは水中で泳ぎまわるのですが、これを一般的には抱卵の舞とよんでいる方が多いようです。
このようなエビの仲間である、ミナミヌマエビですから、足場というのは大変重要になってきます。
狭くて閉鎖されている飼育環境で、その水槽の中に足場がない場合は、ミナミヌマエビにとっては、大変不快な環境であるといえるでしょう。
その為、ミナミヌマエビの飼育環境の場合は、できれば水草を入れてあげておくと、稚エビの隠れ場所にもなりますし、ミナミヌマエビがしがみつく足場にもなります。
どのような水草がミナミヌマエビには最適なのか?
基本的に、ミナミヌマエビに最適な水草というものはありません。
どのような水草であっても、ミナミヌマエビにとって、それが飼育環境に存在しているだけで、快適な状態になっている訳ですから、好きな水草を水槽に入れておけば、良いのです。エビ専用、ミナミヌマエビ専用と言った水草自体ありませんからね。
しかし、ミナミヌマエビの特性上、大変有益な水草というものが存在していまして、その水草が何かと言えば、マツモという水草になります。
マツモというのは、まさに、ミナミヌマエビの飼育の為に存在しているような水草であり、マツモを飼育水槽にいれておくだけで、夏場であればミナミヌマエビが大繁殖をするようになります。レイアウトなど気にする必要はありません。
室内水槽で、水草のレイアウトにこだわっている場合は別でしょうけど、繁殖や単純な飼育目的の場合、マツモをミナミヌマエビを飼育している水槽に放り投げておくだけで大丈夫です。
マツモ自体が、もともと浮き草と呼ばれる、水面に浮かんでいる水草ですから、レイアウト自体を考えるのがおかしな話なのです。
ミナミヌマエビの飼育でマツモが有益な理由とはなに?
それは、水草の中でもマツモというのは、特に価格が安いこと、どこでも購入できる事、極めて増殖力が強いこと、耐久性が極めて高いことが挙げられます。
また、マツモは成長速度も極めて早いため、水槽内の水の浄化を加速させるとも言われていて、マツモが大量に成長している水槽は大抵水質が安定しているものです。
これらのマツモの特徴は全て、ミナミヌマエビの特徴と一致している事がよくわかると思います。ミナミヌマエビによく似た水草がマツモという事になります。
一般的に、人気のある水草というのは、飼育が難しかったり、温度管理や、特定のソイルが必要であるなど、大変手間がかかる事が多いのですが、マツモの場合は、ドボンで終わりです。
もし、マツモが枯れてしまうような環境があれば、そちらの環境で生体を長期間にわたって飼育するのは不可能であるといえるでしょう。
マツモでしたら、夏場は本当に一気に成長していきますので、定期的に駆除をしないと、水槽の維持ができないくらいになりますし、その際に駆除をするマツモの大きさは、ゴミ袋一杯になるくらいです。
お手軽に、手入れも入らずに、勝手に繁殖する水草のマツモとミナミヌマエビの飼育を組み合わせれば、最も低コストで、確実にミナミヌマエビを繁殖させる事が出来ると言えます。
資金的な余裕が有る、水草にこだわりがある場合は、他の水草と一緒の環境にいれておくと、色々と問題が発生するマツモは、あえて除去しても良いかもしれません。
ミナミヌマエビの輸送の際にも、マツモがあれば、それを適当にちぎって、移動用のクラーボックスや、梱包しているビニールの中に入れておくだけで安心してミナミヌマエビを移動させる事も可能です。