ミナミヌマエビの飼育にも慣れてきて、次第に確実に繁殖ができるようになると、次はレッドビーシュリンプなどの更に価格の高いエビの飼育や繁殖に興味を持つ方が沢山いらっしゃいます。
レッドビーシュリンプに関しては、以前はかなり高額な金額で取引がされていましたが、現状では綺麗な紅白のシマシマ模様とかモスラと呼ばれる個体であっても、一匹100円から200円程度でも入手が可能になっています。
レッドビーシュリンプを初めて購入する場合、ミナミヌマエビに慣れていても落とす方が多いんため、高くても一匹200円を超えないような個体を購入するようにしましょう。
値崩れが発生して適正価格になりつつあるレッドビーシュリンプ。
割高なショップで購入されている方であれば気がつかないかもしれませんが、レッドビーシュリンプに関しては、もはや相当値崩れしていますし、無償で譲ってくれる方も沢山いますから、なるべくお金は使わないようにした方が良いかもしれません。
エビのように簡単に増える個体の場合は、増えすぎてしまった個体のその後の処分に困りますので、それが商業的にだぶついてくると、売っても利益にならないし引き取り手が段々いなくなるのはどの業界でも同じような感じです。
飲食店の経営者もエビの飼育と繁殖に興味が有る?
全く魚とかエビの飼育や繁殖をしたことがない方なのに、エビの繁殖に強い興味が有ると相談話をされると不可解に感じるかもしれませんが、そう言った相談をする方は飲食店の経営者の方に多いようです。
この場合は、ペットとしてエビの飼育や繁殖がしたい訳ではなくて、食材としてエビの養殖のような感じで、効率よくそのエビの飼育や繁殖したい事が殆どです。
それゆえに、一般的なペットとしてのエビの飼育繁殖とは根本的に異なる結果を常に要求されていますし、食用として適したエビでなければいけません。
最初から食材としてエビを飼育して繁殖させる場合は、単純に飼育ができれば良いとか、綺麗な模様の個体ができればいいではなくて、安全で味が良い個体が必要になるわけですから、当然と言えば当然です。
また、飲食店が求める繁殖させたいエビというのは、ミナミヌマエビのように淡水で見られるエビではなくて、サクラエビや白エビのように深海で生息しているエビになるのですが、はたして飼育や繁殖は出来るのでしょうか?
サクラエビや白エビの飼育繁殖は高難易度で研究施設が必要。
淡水のエビとは異なり、海水のエビ、しかも深海に生息しているサクラエビや白エビの生きたままの捕獲や飼育ですら相当難しいのに、さらにそれを繁殖させるとなると、もはや研究施設を自前で用意して、ゼロからウナギの養殖のように研究をしていくことになります。
基本的に、海水、更には深海に住む魚とかエビの飼育自体が、相当高額な飼育設備が必要になりますし、その維持費も淡水とは桁違いの費用がかかります。
人工海水などを大量に用意することも大変なのですが、最も費用がかかるのは電気代であり、水槽クーラーで水温を15度以下に設定しつつ、オーバーフローの飼育設備を用意して大量の水を循環させることになります。
よって、水槽設備も水産試験場にあるような設備になりますから、確実に大掛かりなものになります。
レッドビーシュリンプなどでは部屋ごと水槽部屋にして25度に水温を調整するなどの飼育方もありますが、更に低い室温を15度以下にすること自体が普通では考えられませんので、大型の水槽クーラーと空調施設、換気設備など全てにおいて検討する必要があります。
コストのことを考えるとエビは市場で仕入れた方が圧倒的に安い。
飲食店の店内でサクラエビとか白エビを飼育繁殖させていて、それを何らかの方法でエンターテイメントを含めて食材として扱うのであれば、他ではない付加価値が付いたサービスを提供できます。
しかし、それは思いの外難しくて、商売である売り上げのことを考えた場合は、とても合理的とは言えず、儲かりすぎて税金対策で深海のエビの繁殖研究をするような状況でない限り、普通の飲食店では費用がまかなえません。
普通に市場でサクラエビとか、白エビを仕入れた方が圧倒的に安くて、余計なコストやデメリットも発生しません。
今後、時代が変わって深海の魚とかエビの飼育や繁殖ができるようになるかもしれませんが、個人レベルや中小企業レベルではなかなか難しいのが現場です。
興味があって、お金が有り余っている人は、将来商業的に需要が発生するかもしれませんから、サクラエビとか白エビの飼育や繁殖をしてみるのも良いかもしれませんね。
価格が高くて需要がある一般的な深さの海で生息している完全に夜行性のクルマエビでしたら、すでに養殖がされていますし、短期的な飼育であれば個人レベルの環境でも一応は可能です。