ヤマトヌマエビがゾエアで繁殖するメリットは何?

ミナミヌマエビの飼育と繁殖はとても簡単ですから、極端な話で言えば何もしなくても、屋外に設置した水槽の中に10匹程度のミナミヌマエビを入れて放置しておくだけで、冬場の寒い時季を除き勝手に繁殖していきます。

もし、ミナミヌマエビの飼育をしていて、毎回死んでしまって困っている人がいれば、屋外に発泡スチロールの水槽を用意してその中で飼育をすれば、驚くほど簡単に繁殖させることができますので、そちらを試してみてください。

放置飼育が可能なミナミヌマエビですから、本当に完全に放置しておいても構いませんが、水が蒸発して少なくなってきた場合だけは水を補充するくらいで、餌を用意する必要もありませんし、飼育者が定期的なメンテナンスをしなくても大丈夫です。

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ヤマトヌマエビは抱卵までなら放置でも簡単なのですが・・・。

 

しかし、ヤマトヌマエビに関しては、飼育と抱卵のみでしたら放置飼育でも問題ないのですが、これが繁殖になると大変難易度が高くなり、ミナミヌマエビのように爆発的に繁殖をさせることについては、屋外の放置水槽では絶対に実現することが出来ません。

今までヤマトヌマエビを屋外の放置水槽で繁殖させた事例は見たことがないのですが、相当大きな湖のような環境であり、汽水域と淡水域が混じり合っている日本の常識では考えられないクラスの飼育環境をお持ちの方でしたら、放置飼育でもいけるのかもしれません・・・。

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ゾエア型のエビの繁殖を安定して実現できる人はプロ並み?

 

一般的な日本で見られる飼育環境では、ヤマトヌマエビの繁殖に関しては放置では絶対に実現できないくらい難易度が高いものであり、ヤマトヌマエビの繁殖を安定してできるくらいの飼育者であれば、水産試験場の関係者クラスの繁殖技術を持っていると思っても問題ありません。

なぜヤマトヌマエビがこれほど繁殖が難しいかと言えば、ミナミヌマエビのように卵から稚エビを産卵するのではなくて、ヤマトヌマエビの卵から生まれてくるのはゾエアと呼ばれている小さなプランクトンだからです。

ヤマトヌマエビの繁殖が難しいのは生まれてくるのが小さなエビではなくてプランクトンだからであると覚えておけば簡単ですし、縁起がよい食材で有名な伊勢エビなどもヤマトヌマエビと同じくゾエアの状態で卵から生まれてきます。

同じゾエアであっても伊勢エビの繁殖については、当然ですがヤマトヌマエビよりもさらに高難易度になりますので、興味がある方はゾエアの研究をしてみるのも良いかもしれません。

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ヤマトヌマエビがゾエアで繁殖するメリットはいったい何?

 

完全な放置飼育で勝手に繁殖しているミナミヌマエビの場合、卵から生まれてくるのは親と同じ形をした小さなエビですから、生まれた瞬間自分で行動できて、その場で生活を始めることが可能です。

しかし、ヤマトヌマエビのようにゾエアの状態で卵から生まれてくるエビの場合、生まれてすぐに親と同じ形状をしているわけではなくて、何度も形状を変えながら成長を重ねて最終的に親と同じ形状になります。

よって、ゾエアの場合はその時点ではエビではなくてプランクトンですから、水中をブラブラ浮かんで水流に流されながら成長をしていくことになりますので、ゾエアが誕生した近辺でそのまま成長することは殆どありません。

また、ヤマトヌマエビの生息域は淡水ですが、ゾエアの場合は淡水と海水が混じり合っている汽水域で成長をしていきますので、清流などではなくて大きくて流れが緩やかな河川でないとうまく成長することができません。

では、こんな面倒なことをしてまでヤマトヌマエビがゾエアで繁殖をするメリットはいったい何かといえば・・・。

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ゾエアで繁殖をすると生息域を大幅に拡大することが出来ます。

 

ミナミヌマエビを見ていれば分かりますが、生まれてきた稚エビはすぐにその場で親と同じような活動を開始することが出来ますが、その場所から遠く離れた場所まで移動することは大変困難です。

それと比べて、ヤマトヌマエビの場合はゾエアで繁殖をしますから、水の流れに沿って大きく移動することになり、その段階で無事に成長を重ねたゾエアが最終的にヤマトヌマエビになり、大きく移動した場所から活動をすることになります。

これにより、ゾエアで繁殖をするヤマトヌマエビは産卵した場所から遠く離れた場所まで生息域を広げることが出来るので、ゾエアで繁殖をするメリットがある訳なのですが、プランクトンであるゾエアはその殆どが成長するまでに天敵に捕食されてしまいます。

そのため、ヤマトヌマエビは相当な量の卵を産卵している訳なので、その卵を人工孵化させてゾエアをうまく育てることができるのであれば、大量のヤマトヌマエビを増やすことが出来ることになります。

自然界ではゾエアで繁殖をすると生息域を広げるのに都合が良いのですが、個人レベルの繁殖の場合はとても難易度が高くなり厄介ですが、興味があれば、ゾエア型のヤマトヌマエビの繁殖にチャレンジしてしても良いかもしれませんね。



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