ミナミヌマエビの天敵についてご質問をいただきましたので、今回はそちらについて書いてみたいと思います。
基本的に、ミナミヌマエビと言えば水生生物の中でも最も弱い生き物であり、相手が生きている相手であれば、ボウフラですら襲うことはありません。
その為、天敵については水中の殆どの生き物がまさに天敵になってしまいます。
早い話が、ミナミヌマエビが生息している自然環境において、天敵に該当しない生き物の方が珍しいという話です。
例外的に、ミナミヌマエビがメダカを襲っている個体を一度だけ見たことがあるのですが、それは猛暑が連続して続いていて、奇形のメダカが沢山生まれてきて、ミナミヌマエビが茹で上がってしまうような時期でした。
あまりの暑さで、DNAに異常を持っているミナミヌマエビが突然生まれてきたのかもしれませんが、それっきり、ミナミヌマエビが他の生き物を襲っているのを見たことがありません。
一見して、水槽の中のメダカやタナゴを襲って食べている時もあるのですが、それらは既に死んでしまって水槽の底に沈んでいる魚であり、決して生きている魚を襲って食べている訳ではありません。
生きている相手を襲うことがないミナミヌマエビ
ミナミヌマエビの特徴として、生きている相手を襲うことはありませんので、この時点であらゆる水生生物から捕食対象にされていることが分かります。
移動速度も遅い為、魚に攻撃されたらウサギのように逃げることもできませんし、スジエビのように戦うこともできませんので、他の魚に見つからないように生きていくしかありません。
例えば、同じエビでもスジエビやヤマトヌマエビの場合は、普通にメダカや他のエビを襲って食べることもありますが、ミナミヌマエビだけはそれはありません。
その為、どのような水槽であっても同居が可能なコケ取り用のエビとして重宝されている訳ですから、それを逆に言えば、どのような魚であっても捕食されてしまう対象になってしまうということになります。
自然界ではミナミヌマエビを襲う天敵は沢山いたとしても、ミナミヌマエビが襲う相手は存在しない訳ですから、ミナミヌマエビの天敵でない生き物の方が珍しいと言えます。
ミナミヌマエビの天敵に該当しない魚の正体とは?
殆どの水中生物がミナミヌマエビの天敵になってしまうのですが、その中でも魚の場合は殆ど100%の魚がミナミヌマエビを捕食するべく天敵になってしまいます。
唯一の例外としては、まだ産まれたばかりで稚魚のようなミナミヌマエビよりも体が小さい魚はミナミヌマエビを襲って食べることはありませんが、小さくてもフグの仲間でしたら、ミナミヌマエビをバリバリ食べてしまいます。
メダカなどでもミナミヌマエビが口に入るサイズの場合は、好んでミナミヌマエビを他食べてしまいますが、ミナミヌマエビが口に入らない場合は、食べることはできませんし、フグのように襲うこともできませんので、同じ環境で飼育することが可能です。
ミナミヌマエビの天敵に該当しない魚の正体とは、ミナミヌマエビが口に入らないフグ以外の魚であり、それ以外の魚は確実にミナミヌマエビを仕留めるハンターになってしまうのです。
ミナミヌマエビが爆発的に繁殖する理由がよく分かります。
ミナミヌマエビを飼育していると爆発的に繁殖してしまって、驚くことがあるのですが、その理由も殆どの生物が天敵になることを考えるとよく分かります。
ゾエアといって、ヤマトヌマエビやスジエビのようにプランクトンの状態で大量の子供を発生させて、大きな川の汽水域に乗せて下流に流し、繁殖範囲を増やしていくエビとは異なり、ミナミヌマエビは普通に稚エビとして子供を残します。
これは、ミナミヌマエビはその生息している範囲を広げることなく、その近辺だけで子孫を増やしていることになりますので、そこに大量の天敵がいた場合は、片っぱしから食べられてしまって絶滅していまします。
しかし、現実には沢山の天敵に襲われても、ミナミヌマエビは確実に一定数の子孫を残していますので、その残す方法として、短期間に大量の卵を抱卵して、大量の稚エビを誕生させる手段を取っている訳ですね。
ですから、自然界でそのようにして子孫を守っているミナミヌマエビを水槽で単独飼育してしまうと、爆発的に増えすぎることになりますので、それを防ぐ場合は天敵のメダカを入れておけば、適度に増える稚エビを管理できますので便利です。