メダカの稚魚を飼育していると分かるんですが、必ずといっていいほど、成長が早い個体が存在していて、他の稚魚がまだ針子から殆ど成長していない状態なのに、既に3cm前後の親個体と同じくらいの大きさになっており、なにこれ?って驚く人も多いです。
殆ど同じ日に卵から孵化したのに、何故?この一匹だけが異常に成長が早いのか?、何も気にしていない人もいるかも知れませんが、メダカに限らず、淡水魚、熱帯魚、海水魚等の繁殖をしていると必ず発生する問題ですから、知っておいたほうがよいですね。
この中でも、特に海水魚の繁殖をしたことがある人ならご存知だと思いますが、特定の個体が他の稚魚よりも大きくなる傾向が特に強く、そうなると、ある問題が発生しますので趣味で育ている人なら別ですが、商売で養殖をするのであれば死活問題なのです。
成長が早いメダカの稚魚は何故他より大きく育つ?
成長が早いメダカの稚魚、まあ、他の熱帯魚や海水魚の稚魚も同様なんですが、基本的に同じ系統の親の卵から生まれている子孫なので、特別大きく成長する個体の遺伝子を受け継いだ特別な個体とか、3倍体と呼ばれる、巨大化する個体の卵でもありません。
若干の成長速度の違いはあるかもしれませんが、それでも、成長速度が他の稚魚は1cm以下の大きさなのに、特別な一匹だけが3cm前後まで成長するってのは明らかにおかしいですから、なにか理由があるんですけど、その理由は餌取りが上手だからなのです。
とてもシンプルな理由ですが、餌取りが上手い個体は他の稚魚が食べる餌も片っ端から食べてしまいますので、それで他の稚魚よりも成長速度が異常に速く、どんどん大きく成長をしていき、結果的になにこれ?本当に稚魚?大きすぎない?ってなる訳です。
餌取りが上手い稚魚の最大の餌は他の稚魚なのです。
餌取りが上手な稚魚の場合、他の稚魚よりもガンガン餌を食べていきますので、その結果、異常に大きく成長をしていく訳ですが、その際にある程度他の稚魚よりも大きくなった時点で、同じ水槽にいる、他の稚魚が餌になりますので襲って食べてしまいます。
基本的に、魚は自分の口に入るものは積極的に襲って食べてしまいますので、周辺で動いているものがいれば、同じ親から生まれた兄弟だろうが、関係なく襲って食べて自分の成長の糧にしていきますから、特に栄養価が高い共食いは成長速度を早くします。
その為、魚の養殖などをする場合、共食いの対策は最大の重要課題になりますから、共食いをしないように頻繁に成長速度に合わせて個体を入れ替えたり、同じような成長速度になるように餌を与えたり、水槽を大きくしたり等、とても飼育に神経を使います。
屋外で100匹以上いたメダカの稚魚が10匹になる理由。
屋外で100匹以上のメダカを飼育していても、気がついたら10匹以下になっていた・・・、最悪の場合では1匹しか生き残っていなかった状態になることがよくありますが、これは稚魚の飼育を親メダカの感覚で放置していると必ず発生する現象です。
何故そうなるのか?といえば、100匹以上のメダカの稚魚がいた場合、放置していると餌が足りなくなり、餌が水槽内に自然発生していてもうまく食べれない個体が多く、その中で餌を食べるのが特別上手い個体だけが成長をしていき、他の稚魚を襲います。
そして、大抵放置している屋外の水槽はグリーンウォーターになっているので、視界がほぼなく、気がついたときには、殆どの稚魚は餌になっているから生存率が下がってしまいますから、もちろん、水槽の大きさも関係しますが、毎日の適切管理が必要です。