鮎の飼育をしてみたいけど生体が何処にも売っていない理由

先日、日淡の飼育をしたいとの相談を受けまして、その際に日本を代表する淡水魚である鮎の飼育を是非してみたいって相談になったんですけど、鮎って普通のペットショップやホームセンターでは販売しているところを見たことがある人は殆どいない魚です。

ヘラブラナとかドジョウ、タナゴやウナギ等はペットショップやホームセンターに行けば、ちょっと変わった四万十川のウナギや沖縄のオオウナギですら売られているのに、何故か四万十川でもウナギと並んで有名な鮎の生体が売られていることはありません。

どうしても鮎の飼育をしたいとの相談だったのですが、残念ながら鮎の飼育は普通の人ではかなり難しくて、仮に鮎の成魚を入手して水槽で飼育出来ても短期的な飼育しか出来ませんので、個人レベルでは飼育対象にはならない魚だと思って頂いて構いません。

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鮎の飼育をしてみたいけど生体が何処にも売っていない理由。

 

鮎を入手する場合、食用に加工された鮎でしたらアマゾンでも簡単に入手できますし、スーパーに行けば塩焼き用の鮎がたいてい売られていますので、淡水魚の中でもかなり有名な食材として使われており竹筒のお酒につけた鮎の塩焼きは本当に美味しいです。

しかし、生きている飼育用の鮎を入手したい場合、かなり難し無なるのにはそれなりの理由があって、鮎は淡水魚の中でも水槽で飼育することに最も適していない部類の魚であり、その理由は鮎の独特の生態と意外な鮎の寿命問題が大きく関係しています。

知らない人も多いのですが、鮎は年魚と言われていて、メダカよりも遥かに大きくなる魚なんですけど、実は寿命が一年間前後しかなく、産卵をしたら死んでしまうってサイクルの魚になりますので長期的な飼育をするのが大変難しいという事情があります。

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鮎の寿命は一年前後で餌もコケしか食べない変わった生態の魚。

 

鮎は20㎝以上になる大きな魚ですからメダカよりも相当大きいのに寿命が一年しか無い?って驚く人も多いのですが、成長が早くてあっという間に大きくなり、その産卵をするサイクルでないと自然界では生き残れないからそうなっているのかもしれません。

また、鮎は卵から産卵すると一旦海に下ってそこでプランクトン等を食べて成長をしていき、それからまた自分が生まれた川を遡上して、そこから川底に繁殖しているコケ類を食べて縄張りを持ちながら成長をしていき、最後は産卵をしてその生涯を終えます。

このタイプの繁殖方法はヤマトヌマエビのゾエア幼生の繁殖方法とよく似ていますが、海に下ればプランクトンが大量に発生していますので、そこで稚魚のときに成長をすれば、急激な速度で成長をすることが出来ますので、よく出来た自然の仕組みですね。

 

 

飼育難易度が高くて一年間しか寿命がない鮎は売っても儲からない。

 

金魚の場合、繁殖させれば大量に稚魚が生まれてきますし、金魚は日本の環境に適応した純淡水の魚になりますので飼育も容易で餌の制限をすることにより小赤を長期間に渡って小さい状態でキープできる事もあり、餌金としても商業ベースで成功しています。

しかし、鮎の場合は稚魚を育てるのは一旦海に下ってそこでプランクトンを食べて稚魚が成長していくという性質上、水産試験場や専門の養殖業者位の設備がないと難しくて個人レベルで購入をして育てるとか鮎を繁殖させるのは相当難しい事情があります。

漁業などが鮎の稚魚を大量に孵化させて、それを川に放して水産資源を確保したり、鮎の生態を回復させる等を行っていますが、これは鮎が釣りや食用として商業的に価値がある魚であら莫大な費用をかけて繁殖をさせており、個人レベルでは難しいのです。

ある程度成長した生きた鮎を入手して水槽で育てることも出来ますが、水槽クーラーが必須になることや、きれいな水が必須な為、強力なろ過フィルターが必要なこと、更には餌の管理が難しいこともありますがベテランの飼育者なら飼育そのものは可能です。

ただし、短期的な飼育になり、メダカのように繁殖の成功は大変難しい魚になります。

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Updated: 2022年8月3日 — 9:20 PM