6月頃を過ぎて、縁日、いわゆるお祭りが日本全国で開催される季節になると、一斉に的屋が屋台を構えて子供を対象とした、物販やサービスなどが行われるのは日本独特の風景になります。
その際の定番として古くから行われているのが金魚すくいといった、大きなタライのような入れ物に入れられている金魚を紙製の網で掬って、掬った金魚を持って帰れるといったサービスがあります。
金魚を救うための網が破れてしまうと、それ以降は金魚を掬うことはできませんので、再度お金を支払って網を買うことになるのですが、破れやすい網、破れにくい網というものが用意されているのを知らない人も多いかもしれません。
イカサマのようなイメージもあるかもしれませんが、的屋側も商売ですから、なるべく多く金魚を掬って欲しいパンダ的な素質のある客でしたら、破れにくい網を渡すのは当然かもしれません。
人がたくさん集まっている場所には、より人がたくさん集まる習性があるため、小さなお子さん連れの親子の客で、お子さんが金魚を救う場合は、長時間滞在してもらっていた方が的屋側にも都合が良いのです。
それを見たお子さん連れの家族や、子供たちが安心して、金魚すくいの的屋の屋台に近寄って、安心してお金を払ってくれることになります。
金魚すくいと金魚に関しては、相当有名ですから、知らない人はまずいないでしょう。
その際に、お子さんが頑張ってしまって、たくさん金魚を捕まえて、喜んで生きたまま自宅に持ち帰ったのはいいのですけど、その後の扱いで困ってしまった人も沢山いるのではないでしょうか?
金魚すくいの金魚は近くの川に放流しても良いのか?
金魚を沢山持ち帰ったのはいいけど、どうしていいか分からないし、子供も持ち帰るまでは興奮して金魚に関心を示していたけど、実際に自宅に持ち帰ると一気に関心をなくしてしまっている状態。
そのような状態になると、金魚の扱いに困ってしまうことになるのですが、案外多いのがお近くの川とか沼に、そのまま金魚を放流してしまっている人たちの行動です。
実際に、お近くの川とか沼、湖などに金魚を放流してはいけませんが、縁日の的屋などはそのような説明はしてくれませんし、どうしていいかも分からない人でしたら、思わずそうしてしまうのも仕方がないかもしれません。
ですから、最近のペットショップでは、魚を購入した際の袋に、「魚を川に放流してはいけません」と言った注意書きがプリントされているものが多くなっています。
お祭りの季節が終わると、その辺の川とか湖などで、沢山の金魚を見かけることになるのは、金魚すくいで掬ってきた金魚を皆さんがそのまま川に放流してしまうことが多いからなのです。
ただし、金魚の場合は、餌をろくに与えられていない個体ですから、まだ小さくて弱いこと、自然界では色が目立ちすぎることから、殆どが天敵の魚や鳥などに捕食されてしまいます。
金魚すくいの金魚が死にやすいのは、過酷な管理下で飼育されていることや、極端に餌を制限されいること、水あわせなどを殆どしてもらえないことなど、いろいろな要因が重なっている為です。
ですから、たとえ金魚を放流しても、自然下では殆ど生き残ることはできないのが、地域の生体環境を変えないための、せめてもの救いといったところでしょうか?
ブラックバスのように、放流した場所で食物連鎖の頂点に立ち、あらゆる魚やエビなどを捕食してしまうことは金魚はありませんから、誰かがこっそり川に放流しても問題なることは殆どないようです。
金魚の扱いに困ったからといって、お近くの川に放流するのはやめておき、ご近所さんなどで金魚が欲しい人を探して、譲渡するようにしてください。
金魚すくいで購入した金魚の飼育方と育て方。
金魚すくいで購入した金魚を、お子さんが飽きない場合、ご自宅で飼育ができる場合は、屋外に発泡スチロールなどを用意しておき、その中に水と水草を入れておけば、その中で金魚の飼育をすることは可能です。
水槽内に苔が付き始めると、特に餌を与えなくても金魚は生きていきますし、メダカのようにすぐに繁殖することもありませんから、投入した金魚の個体数のまま、長期間において飼育することが可能です。
水草は、カモンバ、アナカリス、マツモなどの水草を水槽に入れておけば、屋外であれば勝手に成長しますし、金魚がそれを食べていきますから、水草が増えすぎることもなくなりますので、ある程度の段階で放置飼育が可能になります。
同居の魚とかエビに関しては、小さな魚とかエビの場合は、殆ど同居が難しいですから、ヒメタニシのような大きめの貝を入れておくと、水槽内の苔やゴミなどを食べてくれますので便利です。
金魚は鯉とは異なり、ヒメタニシを捕食したりすることはありませんし、どうしても他の魚と同居させるのであれば、ドジョウを選択しておくと間違いはありません。
金魚の飼育には高性能なフィルターと大きめの水槽が必要。
室内水槽で金魚を飼育する場合、金魚すくいで購入してきた金魚の個体数にもよりますが、金魚の場合はそれなりの高性能なフィルターと大きめの水槽が必要になります。
できれば、60cm規格水槽を最低限度のサイズとして室内に設置できるような環境を用意しておくと良いでしょう。どうしても難しい場合は、30cmキューブ水槽を最低限度の大きさとして、濾過フィルターはエーハイム2213を最低一台設置するくらいで大丈夫です。
金魚は、想像以上に水を汚す魚ですから、自然で濾過環境が構築される屋外水槽をのぞき、室内水槽の場合は、強力なフィルターが必ず必要になります。
餌に関しては金魚の餌を購入してきて、1日1回程度少なめに与えておけば大丈夫であり、金魚では定番のカモンバとアナカリスと100円程度で購入してきて、それを水槽内に入れておけば問題ありません。
金魚はかなり大きくるなる魚ですから、60cm規格水槽でも最終的には2匹、3匹程度の飼育が限界になることや、大変丈夫な魚ですから、滅多なことでは死なないこともあり、後々大きくなりすぎて困ることもあります。
金魚すくいの金魚を購入する場合は、多くても5匹を最大の個数として、できれば2、3匹程度でそれ以上は掬わない、掬っても水槽に戻してあげるようにしておくと、後々、困ることもなくなることになるでしょう。