日本原産の魚の中でも最も強い生命力を持っているのがドジョウであり、ドジョウは自然界では水が干からびてしまっても土の中に潜って冬眠をして長期間過ごし、また水が増えてくると地中から出てきて何事もなく普通に泳ぎ始める位の生命力があります。
この条件に当てはまるのが田んぼであり、田んぼは春から秋にかけては水を流して稲を育てますが、収穫後の冬場は水を抜いて土を休ませますので、田んぼからは一斉に水がなくなりますが、ドジョウはそれに合わせて一斉に土の中に潜って冬眠を行います。
他の魚では肺魚などを除きこのような方法で水がなくなった環境では生き抜くことは出来ませんし、ドジョウは餌を食べなくても長期間生きる事ができますし、雑食性でなんでもよく食べる魚ですから、ドジョウの飼育は実は最も簡単な魚の飼育になります。
ドジョウが餌を食べない原因は体調不良なの?
普段は顔だけを上に向けてボーっとした格好でじっとしているドジョウですが、水槽の中に餌を入れると真っ先に反応して泳ぐ能力も高いのですぐに餌の方向に向かって小さな口でバクバクと餌を食べ始めるのが普通であり、食欲は極めて旺盛な魚になります。
この普段は極めて食欲旺盛なドジョウが全く餌を食べなくて困っているとの相談をまれに受ける事があるのですが、ドジョウが餌を食べない原因は水槽に投入したばかりでストレスを感じて警戒している時や水温が低くなっている時であり、後は病気ですね。
ドジョウが病気になる環境は極めて劣悪な環境であり、他の魚やエビは生きていくことが出来ない暗黒の世界になっているはずですから、ミナミヌマエビやメダカがその水槽の中にいればドジョウが病気になることはありませんので、普通は問題ありません。
ストレスで落ち着かないドジョウは顔を見れば分かります。
ドジョウはそのストレスの状態が分かりやすい魚ですから、水槽に初期投入したばかりで落ち着いていない場合や、他の肉食魚がいるとかドジョウが不安に感じる環境などの場合は強度のストレスを感じていて呼吸が早くなっているので容易に判別できます。
普段はゆっくりと呼吸をしているドジョウが、すごい勢いでパクパク口を動かして呼吸をしており、物陰に体を隠して頭だけを出している状態でしたら何かに怯えているかストレスを感じているので、この場合は餌を食べる余裕もなく暫く何も食べません。
ドジョウは1ヶ月位餌を与えなくても死なない魚ですから、2日3日位餌を食べなくても問題はなのですが、初めてドジョウの飼育をする人の場合は毎日エサを与えないと死んでしまうと思っている人も多いのですけど、落ち着くと普通に食べるようになります。
水温が極端に低くなるとドジョウはあまり餌を食べなくなります。
新しく水槽に投入した場合や水槽内をかき回すなどでドジョウがストレスを感じている場合は餌を食べる行動よりも命を守る行動を優先することが多いですから、呼吸が慌ただしくなり頭以外を物陰に隠して警戒していますので、その場合は暫く様子をみます。
その他の病気に関してはドジョウが餌を食べなくなる位の水質悪化をしているのであれば、その環境はもはや飼育環境としては最悪の状態ですから、水槽をリセットするかエーハイム2213+サブフィルター等を追加してろ過フィルターを適正に作動させます。
後は別にドジョウに限ったことではないのですが気温が極端に低くなると水槽ヒーターで温度管理していない環境の水槽では水温も気温に連動して低くなりますので、一定よりも水温が低くなるとドジョウに限らず殆どの魚が餌を食べなくなるのは通常です。
ドジョウが餌を食べない場合にまれに先天性の疾患や人間で言うガンとか白血病などの症状があるのかもしれませんが、それらも別にドジョウに限らずメダカやエビなどでも発生する病気なんですけど病名の判断は出来ませんので、再度飼育をしてみましょう。