そろそろ、かなり暖かくなってきたので、ミナミヌマエビたちも過ごしやすい季節になってきていますが、この時期になるとミナミヌマエビが水槽の中を一斉に泳ぎまわる光景が結構な確率て見られますので、そちらについてのご質問を受けました。
ミナミヌマエビの飼育を始めたばかりの人であれば、この光景をみれば大いに驚くことになるとは思うんですが、普段は泳ぎまわることをしないミナミヌマエビなのに、ほぼ全ての個体が一斉に水槽の中を泳ぎまわる訳ですから驚くのも当然です。
このミナミヌマエビが一斉に水槽の中を泳ぎまわる光景のことを、一般的に抱卵の舞と呼ばれていることが多く、レッドビーシュリンプ等でも同様の行動が見られますので、小さなエビ特有の行動であり、抱卵の舞が始まると恋の予感も始まるのです。
抱卵の舞が始まると一斉に産卵活動が始まります。
こちらの、ミナミヌマエビが一斉に泳ぎまわる現象について言えば、これが始まると泳ぎまわるのが収まった後に一斉にミナミヌマエビが抱卵をしている状態になることが多く、ハネムーン旅行のように産卵のペアを探して泳ぎ回っているのです。
抱卵の舞がなぜ始まるのかについては、よくわかりませんが、メスがフェロモンを一斉に出すことにより、水槽内のオスが性的に刺激されてメスを求めて泳ぎまわることになり、それにつられて他のオスも負けじと泳ぎまわるようなイメージになります。
自然界でミナミヌマエビがこのように泳ぎ回っていると、天敵の魚にすぐに見つかってしまい、あっという間に餌になってしまうとしか思えないんですけど、産卵活動を行い子孫を残すということに関しては、相当のリスクを背負ってでも実行するのでしょう。
ただし、天敵だらけの自然界では抱卵の舞を行わないのかもしれませんが・・・。
狭い水槽の中では天敵もいませんし、水槽自体も狭いですから、結果的にずっとミナミヌマエビがぐるぐると泳ぎ回っているような状態になり、初めてその光景を見た人が大変驚き、何が起こっているのか?、と不思議に感じる訳ですね。
抱卵の舞は単独飼育をしている時に見られることが多い。
ミナミヌマエビも警戒しているのかどうかはわかりませんが、抱卵の舞を行う際には単独飼育をしている時によく見られることがあり、メダカやネオンテトラ、タナゴと同居させている環境では抱卵の舞を行ったことはこれまで見たことがありません。
抱卵の舞をしている環境は、ミナミヌマエビを単独飼育している環境だけでしたから、ヒメタニシやピンクラムズホーンは問題ないとしても、やはり魚が沢山泳いでいる環境では抱卵の舞ができない理由があるのかもしれませんね。
もし、水槽の中で抱卵の舞を見たい人がいれば、ミナミヌマエビの単独飼育を行えば必ず見ることができますので、ぜひその環境で飼育をしていただきたいですし、見ていて結構綺麗なものがありますから、見たことがない人は一度見ていただきたいです。
その後に、ミナミヌマエビが一斉に泳ぎまわるのが終わった際に、抱卵が始まりますから、そのまま放置していると、水槽内にミナミヌマエビが大量に増え続けることがありますので、水槽の限界を超えないように水質管理をしていくことになります。