元々日本には自生しておらず、海外から持ち込まれて日本の環境に馴染み、本来日本に自生していた植物などを押しのけて凄まじい生命力でその活動域を広げているのがご存知ホテイアオイです。
ホテイアオイ自体、春ころから秋の終わりまで、ホームセンターに行けば、必ず売られている水の上に浮かんでいる水草であり、価格も百円前後と安いことから、本来日本に自生している水草と思ってしまいそうですが、外来植物です。
日本各地でホテイアオイが引き起こす問題。
日本にはホテイアオイを駆除するような生き物が自然界には殆どいませんから、一度安定して繁殖をしてしまうと、その一帯の水面全てをホテイアオイが埋め尽くすくらいの状態になることもあり、用水路などに詰まってトラブルを起こすこともあります。
よほど日本の環境が心地よいのかしれませんが、ホテイアオイはすでに日本の環境に馴染んでしまっているわけですね。
ただし、冬になると外来生物の性質上、日本の寒さにはあまり強くない水草ですから、生き残れないとなると子孫を残す状態になり、見た目上は水面から姿を消してしまうこともありますが、翌年の春になるとまた繁殖してきますから、その生命力の強さは半端ではありません。
アクアリウムでは結構重要なのがホテイアオイ。
そういった感じで、自然界で問題が多いホテイアオイなのですが、アクアリウムを楽しむ人にとっては、メダカやミナミヌマエビの隠れ家や餌場になることが多く、できれば水槽に入れておいた方が良い水草の一つになっています。
水槽で水面を覆い尽くすくらいホテイアオイが増えすぎたからといって、近くの川や湖などにホテイアオイを廃棄するのは生態系にどのような影響をもたらすか分かりませんから、絶対にしないようにしておきましょう。
ただし、室内水槽の場合は太陽の光が必要になるホテイアオイはいつの間にか水槽から消えてしまいますので、必ず太陽の光が照射されている屋外水槽の環境に浮かべるようにしておく必要があります。
ホテイアオイ最大の天敵の正体とは?
そのように、あまりの繁殖力の強さから自然界では敬遠されているホテイアオイなのですが、アクアリウムとして水槽に浮かべていても、いつの間にやら株分けが進んでいき、水槽の水面全てを埋め尽くす状態になることがあります。
ですから、そうなってしまうと、水槽の中に太陽の光が入らなくなってしまって、色々と問題が発生することもありますので、何とかホテイアオイの成長を止める方法がないかと考える訳なのですが、実は簡単な方法があります。
その方法とは、ホテイアオイが株分けして増えては困る水槽の水面に、更に小さな浮き草を浮かべておくだけであり、その環境を作るだけでホテイアオイは株分けすることができずにずっと最初の状態で成長が止まったようになります。
浮き草の種類は何でもよいけど1cmから2cmの葉っぱ。
浮き草は別に種類は何でも良いのですが、1cmから2cm位の葉っぱを備えているものであれば一番効率が良い結果になっています。
その代わりですけど、ホテイアオイの代わりに浮き草が水槽の水面全てを埋め尽くすことになる訳ですから、だったら意味がないのでは?と思えるかもしれませんが、浮き草は葉っぱの厚みが薄いので、水面全てを埋め尽くしても太陽の光が水中にある程度は届くのです。
ホテイアオイの場合は、葉っぱが厚みがあり、3次元的に膨らんでいるため、それが水槽全体を埋め尽くすと太陽の光がなかなか届きにくくなることがあります。
最強と言われているホテイアオイなのですが、更に成長速度が早い1cmから2cm前後の浮き草と同じ水槽に入れておくと成長することができなくなり、株分けすることなく単独で浮かぶことになります。
浮き草の成長速度は桁違いですから、ホテイアオイであっても、成長を止められてしまうくらいなので、これらが自然界に馴染んだらどうなるの?と思いますけど、小さくて薄いので、ホテイアオイほどの問題にはならないのではないでしょうか?