4月を過ぎて暖かくなり、屋外で飼育しているメダカが毎日のように産卵を始める頃、それとちょうど時を同じくして一斉に活発に産卵を始める生き物がいます・・・。
その生き物は、一度産卵をするとしばらくの期間は卵を体に固定しているという体の構造上、メダカのように毎日産卵をすることはできませんけど、安定してメダカと同じ環境で繁殖をする生き物こそが我らがミナミヌマエビになります。
自然界でも同じような場所に生息しているメダカとミナミヌマエビの組み合わせは大変相性が良いですから、同じ水槽にそれらを一緒に飼育してる人も多いと思います。
ミナミヌマエビの繁殖力はエビの仲間でもトップクラスに高いですから、単独飼育をしている場合、それは凄まじい数の稚エビが誕生することになるのですけど、メダカと同じ環境で飼育している場合、なぜか全く増えないという困った状態になります。
ミナミヌマエビの稚エビはメダカにとっては最高のご馳走の一つ。
メダカとミナミヌマエビを同じ水槽で飼育している場合、通常は飼育者が何もしないとどんなに大量に稚エビが生まれてきてもミナミヌマエビの個体が増えることは殆どありません。
その原因はとても単純で、大量に生まれてくるミナミヌマエビの稚エビを片っ端から同じ水槽にいるメダカが積極的に襲って食べているからです。
一度ミナミヌマエビの稚エビを食べて味を覚えてしまったメダカというのは、常に積極的にミナミヌマエビの稚エビを水槽の中で探すようになりますので、ソイルや水草の隙間などに稚エビが隠れていないかと執拗に追いかけ回すようになります。
稚エビがいるとハンターとしてのメダカの素顔を見ることができます。
実際のその姿を見てみると、普段は人の姿を見ると直ぐに水面に上がってきて人工餌をパクパク食べているメダカからは想像できないようなハンターとしての野生のメダカの面影を見ることができます。
自然界でしたら何とか生き残ることができるミナミヌマエビの稚エビであっても、狭い水槽の中では一日中ハンターに狙われ続ける事になり、到底生き残ることが出来ない訳ですから、水槽の中は特殊な環境である事を考慮しないといけません。
ですから、ミナミヌマエビを屋外水槽にて大量に増やしたい場合は単独飼育が基本になり、単独飼育であればミナミヌマエビの稚エビは天敵がいない状態になりますので、水槽の限界まで増え続けることになります。
親のミナミヌマエビが子供のミナミヌマエビを襲う事は絶対ないとは断言できませんが、通常においてはまず見られない話なので、メダカのように飼育者が卵や稚魚を隔離する必要もなく、単独飼育で放置しておくだけで個体数が爆発的に増えていきます。