飼育しているミナミヌマエビを見た友人から、このエビって体が透明なんだけど、なんていうエビ?って感じの質問があったので、その件に関して書いてみようと思うんですが、通常のミナミヌマエビは透明っぽいけど、黒っぽいって感じの模様になってます。
飼育方法次第では可能な限り透明な体の色にすることが出来ますので、興味があればそちらの方法で育ててみてもよいのですが、実はこれにはオチがあって、特定の環境で育てると確かに透明な体の色になるんですけど、環境を変えればあっさり元に戻ります。
それで、偶然その環境で育てているミナミヌマエビをみた友人が、綺麗な透明の色をしているエビなので興味を持ったみたいなんですけど、流石に完全に映画プレデターに出てくるエイリアンのように透明にはなりませんが、普通の個体よりも遥かに透明です。
ミナミヌマエビの体の色を透明にする方法。
飼育しているミナミヌマエビの体の色を透明にする方法ですが、本当に笑えるくらい簡単でスドーのサテライトLの中で育たるだけで、可能な限りミナミヌマエビの体の色は透明になりますので、後はその環境で長期飼育をしていれば、全ての個体が透明です。
サテライトは水槽の上下左右における全方向が透明になっており、自然界ではありえない環境になりますので、その中に放り込まれたミナミヌマエビたちは、本能的に可能な限り周囲の環境に体の色を合わせる振る舞いをしますから、透明になるだけの話です。
サテライトLであれば、適当にウィローモスを入れておけば、それが足場と餌場になりますし、勝手にミナミヌマエビたちは繁殖をしていきますが、生まれてくる稚エビも透明な体の色をしているので、もしかしたら透明な色に固定できた?と思った駄目です。
元の水槽に戻すと普通のミナミヌマエビの色に戻る。
メダカなどを育てていると、稀に特殊な形状や色をした個体が生まれてくることがあり、そのような個体だけを選別して繁殖をしていると、その色や形状を固定化することができるんですけど、このようにして新しい色をしたメダカが市場で流通します。
ミナミヌマエビでも、人工的に色を着色した個体や黄色や青っぽい個体が売られていますが、ミナミヌマエビの場合は環境に合わせて体の色が自動的に変化しますので、透明な個体ばかりの中から生まれた個体であっても、それはサテライトの影響なだけです。
なので、透明な色をしたミナミヌマエビというのは、サテライトLのように全てが透明な特殊な水槽で飼育した場合に勝手にその色に変化しているだけなので、透明な色をしたミナミヌマエビというのは、色を固定してより透明にするのは難しいと言えます。
もし、透明なミナミヌマエビを誕生させたとしても、通常のソイルを敷いているような水槽で飼育を始めたら、数日か数週間で色が普通のミナミヌマエビに戻ってしまうでしょうけど、これは本能的に自然界で天敵から身を護る保護色が発動している訳です。
サテライトLで育てるとすぐに死んでしまう理由。
この方法を説明すると、サテライトLでミナミヌマエビを育てる人もいるんですが、よく聞かれるのが、サテライトLでミナミヌマエビを育てると何故かすぐに死んでしまうという状態で、どうも長期飼育が出来ないようなのですが、理由は一体なんでしょう?
サテライトは全方向ツルツルのプラスチックで構成されており、蓋は除外するにしろ、ミナミヌマエビの足場となる場所がないなので、ストレスが溜まってしまう事も考えられますし、餌不足であることも考えられますので、ウィローモスを適当に入れます。
本水槽のろ過フィルターの容量が足りていない場合は、当然ですが過密状態になっているサテライトLの中の飼育水が限界を超えている可能性もありますので、余裕を持ってエーハイムの2213及びサブフィルター等を追加しておけば、長期飼育が可能です。
ミナミヌマエビの体の色が可能な限り透明になると、筋の部分がはっきりと真っ黒に透けて見えますので、これが万が一見えないのであれば、餌が足りていないということですから、餌場と足場を兼ねたウィローモスをサテライトLの中に入れておくとOKです。