ミナミヌマエビは日本原産の淡水のエビであり、これは間違いのない事実になる訳ですが最近ではミナミヌマエビの亜種とも言える、シナヌマエビというエビが日本に大量に輸入されてきていて、心無い人達が河川にばら撒くことにより野生化しています。
例えば、釣具屋で釣り餌として格安で大量に生きた状態で売られているミナミヌマエビのようなエビ(ブツエビで売られている地方も多いです)は、実は中国から大量に輸入されているシナヌマエビって話もありますし、釣り人がそれを川に捨てている等です。
最近では、ドジョウ等も中国産のドジョウが生きた状態で大量に輸入されていて、釣具屋やスーパーなどで売られている事が多く、ドジョウは大変生命力が強いので、それを川に捨てる人もいるようで、目立たないのですが、色々と問題になってきています。
ミナミヌマエビとシナヌマエビの違いを断定するにはDNA鑑定。
よく、日本原産のミナミヌマエビと亜種である中国産のシナヌマエビを見分ける方法について、触覚や顔のデザイン、体の模様を比較して見分けるって方法が話題になることが多いのですが、正直言ってそれらの方法は正確な判断としてあまり役に立ちません。
何しろ、元々日本に生息している純粋なミナミヌマエビであっても、地方によってその形状やデザイン等が異なることが多く、元々は固有種だったのですが商業的な価値が無いことから国や行政の保護もなく、色々なハイブリッド個体が誕生している現状です。
ミナミヌマエビとシナヌマエビのハイブリッド等も誕生しており、自然界に投棄されてしまって、それらが更に派生していくと、見た目だけで違いを判断をするのは大変難しく、明らかな体の構造の違いでもない限り、DNA鑑定で判断をするしかありません。
ミナミヌマエビのDNA鑑定をするにはどすればいいの?
では、飼育しているエビが純粋な日本原産のミナミヌマエビであるかどうかを判断するにはどうすればよいのか?、DNA鑑定をするにはどうすれば良いのか?って相談になった場合、実はDNA鑑定は個人の自宅で試薬などを使って行うことは出来ません。
これまでにDNA鑑定も色々とやってきていますが、鑑定で使う試薬だけでも少量で10万円前後のコストが掛かり、大学の研究施設を使って鑑定を行うのですが、その設備は大変高額な機械であり、動かすだけも維持費が掛かり、お金もかかる鑑定になります。
知り合いで生物学や薬品関係に強い専門の教授クラスがいれば、相談をすればお金を支払ってミナミヌマエビのDNA鑑定を行うことが出来ますし、日本以外の海外でも同様に行うことが出来るのですが、ミナミヌマエビを直接輸送しないといけなくなります。
DNA鑑定に使ったミナミヌマエビは一体どうなるの?
では、日本原産の個体かどうかを調べるために、DNA鑑定に使ったミナミヌマエビは一体どうなるの?って話になると、鑑定の都合上確実に死んでしまいますので、その個体を再度飼育することは出来ず、DNA鑑定のためだけに利用することになります。
ミナミヌマエビのDNAのデータについて、正確なDNAデータを持っているのであれば別ですけど、それがない場合はサンプルデータの採取などでかなりの手間隙とお金がかかりますから、そこまでして飼育しているエビの詳細を知りたい人がいるかですね。
非営利目的でDNA鑑定をした場合でも、それなりのコストがかかる訳ですから全く知らない相手から依頼を受けた場合は営利目的になることも多くて、価格相場がないような世界なので相当な金額が必要になることがありますので、あまりお勧めはしません。
気が向いたらミナミヌマエビのDNA鑑定を本格的にやってもよいのですが、そこまでやる必要に迫られないと、別にやる理由もないので多分やらないと思いますし、仮に飼育しているエビが実はシナヌマエビであっても育てていると愛着が出るものです。
ただ、釣具屋で格安のブツエビを購入したとかではなくて、信頼できるペットショップでミナミヌマエビとして購入した場合、普通にそれはミナミヌマエビですね。