最近では、元々野生にいたメダカのことを、黒メダカといった名称で表現するようになってしまっていて、メダカといえばヒメダカが本来のメダカのような扱いになっているのですが、これも時代の流れです。
そのような、黒メダカなのですが、当然、元々野生の川とか沼地にいたメダカになりますので、自然により近い環境を水槽内で再現したい場合は、ヒメダカ、白メダカなどは当然当てはまりませんので、黒メダカ一択になります。
今後、黒メダカがヒメダカに取られてしまったポジションを、再度奪い取るような状況にはもうならないかもしれませんが、あえてその状況であるからこそ、黒メダカの飼育をする価値があるといった感じでしょうか?
かつて、実験のために宇宙に行ったメダカもヒメダカでしたからね。
宇宙で誕生した宇宙メダカって、もうその個体は生きていなくて、地球上で誕生した子孫しかいないと思いますし、今はどうなったのかわかりませんけど、できれば黒メダカも宇宙に連れて行って欲しいものですね。
今の時代に、黒メダカの飼育をしたいとか、黒メダカの繁殖をしたいと思っている方の場合は、殆どが相当なこだわりを持っている方でしょうから、そのこだわりをどこに向ければ良いのかといえば、やはり純粋な地域のメダカの飼育にこだわって欲しいものです。
黒メダカの遺伝子はその地域によって異なる。
別に、黒メダカに限った話ではないのですが、自然界に生息している生物というのは、同じ種類の生物であっても、見た目が全く同じに見える生物であっても、遺伝子構造が異なっていて、地域ごとに異なる遺伝子を持っています。
その為、遺伝子を調べれば、どの地域の個体であるかが殆ど99%の確率で分かるようになっているのです。
よく、飼育しているメダカを川とか沼などの自然環境に放流してはいけませんと言われていますが、その原因になるのが、地域固有の遺伝子が汚染されてしまう事が要因になっています。
人が飼育している白メダカやヒメダカなどでしたら、自然の川に放流したとしても、あっという間に他の天敵に食べられてしまうから別にいいのでは?といった話ではなくて、地域の個体差を守る為に、そのような事をしてはいけないという話です。
ただ、本来いなかったブラックバスを積極的に放流したり、ニジマスを放流したりしている話はどうなんだろう?と思ってしまいますが、商業的に利益になる場合は、遺伝子汚染とか、本来の生態系を守るといった話はどこかに吹っ飛ばされていますね。
メダカについては、自然の川に放流しても全く商業的な価値がない事、金銭的な対価がない事から、遺伝子汚染につながるから、放流しては行けませんと言っているだけなのかもしれませんね。
メダカがブラックバスとか、ニジマスのように商業的な価値があるのであれば、恐らくは積極的に地域の川に放流しているような人や業者が沢山出てくるはずです。
社会は、矛盾だらけですから、この辺りは仕方がないと妥協して過ごすのが吉です。
黒メダカの飼育は地元の個体を採取したものがオススメ。
ヒメダカ、白メダカについては、既に固有の遺伝子がどうこうといった話ではありませんから、どのような個体と掛け合わせても、自然界に放流しなけば問題はありません。
しかし、黒メダカだけは別扱いで、地元で採取した地元の個体であれば、増えすぎた場合であっても、処分する事なく、地元の川とか沼に再度放流しても問題はありません。
ただし、その場合は採取した黒メダカのみを単独飼育した個体であり、他のメダカは一切水槽内で飼育しない事が必須の条件になります。
そのように、黒メダカの場合は、他のメダカでは出来ない、採取した場所であれば、増えた場合は自然の環境に戻す事ができますから、メダカの個体数の保護につながる事にもなります。
近年、自然下では、メダカが飼育できる環境がどんどん少なくなってきていますから、状況次第では地元の川とか沼にいたメダカが絶滅する可能性も全くないわけではありません。
絶滅の危機にある黒メダカの保護にもなる唯一のメダカの飼育。
その際に、地元で採取した黒メダカのみを大切に飼育していたのであれば、絶滅した、絶滅寸前まで追いやられた黒メダカの回復に一躍かう事もできるわけですから、大学などの研究者の方がいれば、一緒になって、メダカの環境保護活動なども実行できるのです。
他の、白メダカ、ヒメダカ、高額なメダカでしたら、このような飼育方法は絶対にできませんので、黒メダカを飼育するのであれば、ペットショップなどで購入するのではなくて、できるだけ地元の自然の環境下でメダカを採取してみてはいかがでしょうか?
当然ですけど、あまりに大量のメダカを採取してはいけませんから、適切な個体数だけを採取して持ち帰って、飼育繁殖するようにしておくと、大変よろしいかと思われます。
絶滅した地域のメダカを実は飼育している人がいた?といったニュースになるかもしれませんし、メダカをすくう事ができる唯一の飼育をしてみるのも良いでしょう。