アマゾンのシングー川で、偶然、その業界で当時大変有名だった日本人によって発見され、そのあまりの幾何学的な美しさ故に、多くのアクアリストたちを魅了し続けてきたのが、ご存知、インペリアルゼブラプレコになります。
自然界にこんな不思議な模様の魚がいるのか?、と最初、見た時は誰もが驚くようなシマシマのゼブラ模様であり、体長8cmほどのこの小さなプレコは、発見当時は世界中で大きな反響を呼び、こぞってこのプレコを多くの人が買い求めることになります。
現地の労働者を数多くシングー川にいかせることに・・・。
シングー川近辺では、炭鉱の労働者として働いていた人も大変多く、それ故に、もっと効率がよい稼ぎとして、シングー川にいるインペリアルゼブラプレコを捕まえて売れば、炭鉱で働くよりも楽であり、金になると思えば普通の人ならそちらを選びます。
その結果、現地の労働者の状態まで書き換えることになった、このインペリアルゼブラプレコは、数多くが採取されていき、そのうち、人が簡単に捕獲できる場所からはその姿を消すことになり、残る場所は人が入っていけない深みや急流のみになります。
インペリアルゼブラプレコは、元々流れが早い場所で生息している為、なかなか人が入っていけないような生息地もあり、そこに残ったインペリアルゼブラプレコはかろうじて捕まることなく生息していたのですが・・・。
持ち込まれた最新の潜水具により人が行けない場所が無くなった。
兎に角、捕まえれば必ず売れるこのインペリアルゼブラプレコですから、現地の元締めが漁師になった人たちに檄を飛ばし、お金をばら撒いて採取させていた為、もう簡単には捕獲ができなくなったインペリアルゼブラプレコを更に襲ったのが、最新の潜水具だったのです。
その為、潜水具を使えば、もう潜れない場所自体がなくなるため、最後に残されたインペリアルゼブラプレコの聖域にも人の手が押し寄せ、結果的にインペリアルゼブラプレコはもう、このままでは絶滅してしまいかねない位の状態になってしまいます。
それでも買い手がつき確実に売れるインペリアルゼブラプレコ・・・。
それを見かねた政府が、インペリアルゼブラプレコの取引を禁止することになり、結局は考えもなしに現地の漁師たち(海外の買い付け)が捕獲しまくったため、最終的にはその捕獲自体が禁止されることになってしまいます。
そういう経緯があり、インペリアルゼブラプレコの輸入ができなくなった日本では、既にワイルド個体をある程度入手していた人たちが繁殖にチャレンジすることになり、現在では繁殖個体が市場に流通することになりました。
きちんと現場でルールを作って、採取する個体数とかの管理をしていれば良いものを、片っ端から捕獲しまくれば、当然、そうなるである結果になってしまった状態です。