そろそろ8月も後半になってきていますので、4月頃から毎日のように産卵をしていたメダカたちの子孫もかなり増えてきている頃だと思いますけど、この時期になっても全然メダカが増えていない人がいる場合、飼育方法に問題があるかもしれません。
ただ、意図的にメダカの個体数を増やしたくなければ、水槽の中でメダカが産卵をしてもそのまま卵や稚魚を放置しておけばよいだけであり、あとは勝手に殆どの確率で片っ端から食べられていきますから、この状態であればメダカは増えません。
ミナミヌマエビもメダカも水槽内で増えても殆どが捕食されます。
もちろん、同じ環境にてミナミヌマエビの飼育を行なっている場合、大量にミナミヌマエビの稚エビが誕生したとしても、狭い水槽の中では高速で移動できるメダカの格好の餌になってしまいますので、水草などをある程度設置していないとあっという間に食べられます。
当然ですが、200cmクラスの大きな水槽でメダカやミナミヌマエビを飼育している人であれば、流木や水草などのレイアウトをしっかり組んでおけば、かなりの数の個体が増えるのでしょうけど、そんな豪華な環境を持っているメダカの飼育者は殆どいません。
マツモやホテイアオイをそれなりに水槽に浮かべておけば、それらが隠れ家や餌場となり、メダカの稚魚やミナミヌマエビの稚エビも少ないながらも生き残る個体が出てきますから、より自然な環境で少ない個体数を増やしている人もいます。
稚魚を増やすか、増やさないかよりも増えると持て余すのが現実。
どちらが良いかは個人の判断ですけど、意図的にメダカの稚魚を隔離して片っ端から育てている人の場合、水槽の限界容量までは確実に増えていきますから、臨時でバケツなどを追加して水槽として使っている場合、この時期くらいから必ず持て余す事になります。
さて、まだ卵や稚魚の頃でしたら、親メダカの餌になっていた訳なのですけど、8月に頃に隔離して育てていたメダカというのは、それなりの大きさになってしまっていますので、今更親メダカの餌として利用する事はできません。
増えすぎたメダカを売りたくても売れば売るほど赤字になる世界。
かといって、よほど特殊なメダカでない限りは、売りたくても売れば売るほど赤字になるような殆どボランティア活動的な商売になりますから、よほど多くの人に自分が育てたメダカを配布したい人以外にはなかなか難しいものです。
大型魚を飼育していれば、そちらの餌としてメダカを使う事もできるのでしょうけど、自分が数ヶ月間とはいえ、愛情を持って育ててきたメダカを餌として使うのはなるべく避けたくなるのが普通の人間の感覚ですからこれも難しい。
だとすると、近くの川に増えすぎて大きく育ったメダカを放流すればどうかな?、となる訳ですが、実際に増えすぎて大きく育ったメダカを放流したらどうなるのでしょうか?
人が卵から育てたメダカは自然界ではほぼ、生きていけません。
卵から大事に人が隔離をして育ててきたメダカというのは、人の姿を見ると水面に上がってきて餌をねだるような仕草をするのが当たり前のようになっている為、仮に自然の川に放流したとしても、殆どの場合で生きていく事ができません。
そこに天敵がいる場合、目立つ色のメダカの場合、あっという間に食べられてしまって全滅をしてしまいますから、よほどレアな条件が揃っている自然環境でない限りは、放流してもなかなか厳しいものがあります。
ただ、それでも生き残る個体が出てくるのが不思議な世界なんですけど、放流して良いのは、現地の川に元々生息していた黒メダカを保護して増やしている場合ぐらいであり、その他のヒメダカやシロメダカなどを放流するのはあまり良くありません。
川に定期的な放流をする場合は地元の行政期間と相談するのが基本。
放流するつもりで育てるのであれば、最初からその川にいるメダカを育てて他のメダカと交配しないように注意しながら、地元の行政と相談をして定期的に放流するのであれば良いのでしょうけど、それ以外の場合、どのようなトラブルになるかもわかりません。
ですから、増えたから困ったので川に放流するのではなくて、最初から川に放流するつもりで、現地の川でメダカを捕まえて、それを保護するような団体を作り、地元の行政を相談をして堂々と放流する以外は難しいと言えます。
現在において、自然界のメダカは絶滅の寸前の危機にあると言われているくらいですから、それを保護して育てながら河川に戻す活動を立ち上げるのであれば、それに反対するような行政機関はないのではないでしょうか?