ミナミヌマエビの飼育をしていると、サイズが小さくて色が半透明な体をしているため、観賞用としては、もう少しアピール感が欲しいと感じることがあります。
その際には、偶然生まれた、色が青い個体、色が黄色い個体、色が赤い個体だけを選別して、より濃いめの色を持ったミナミヌマエビを育てていくことも可能です。
この辺りは、レッドビーシュリンプとよく似た感じになりますね。
しかし、ミナミヌマエビというのは、体長が小さいエビですから、色が濃いめではなくて、人によっては存在感を出すために、体長そのものを大きくしたいと思うこともあるかもしれません。
ヤマトヌマエビの飼育ではダメな理由。
だったら、同じ日本原産で同じ水域で生息しているであろう、ヤマトヌマエビを飼育したら良いのでは?といった考えになる方もいるでしょう。
残念ながら、ヤマトヌマエビの飼育はとても容易であっても、繁殖は相当難しい部類のエビに分類されますので、繁殖を期待している方向けのエビではないのです。
ヤマトヌマエビの卵から生まれるのはゾエアと呼ばれる幼生であり、その卵が汽水域の水をゆっくり流れることによって、ゾエアが成長していくような行程になります。
単純に稚エビが生まれてくるミナミヌマエビとはかなり異なる生態です。
ヤマトヌマエビの繁殖は本当に難易度が高いのですが、興味を持てばチャレンジするのも良いかもしれませんね。
その際に、繁殖を楽しむことができるミナミヌマエビを、どうやったら、体長の大きなミナミヌマエビを飼育できるかについて、ご説明したいと思います。
ミナミヌマエビの体長は何センチくらい?
とても小さなエビですから、その体長は稚エビでしたら、数ミリくらい、成体サイズでしたら3cmから4cmの間くらいではないでしょうか?
4cmサイズのミナミヌマエビになると、殆どいないかもしれませんが、個体によってはマックスサイズでそれくらいの個体もいるかと思います。
一般的には2cmくらいのサイズが平均であり、ペットショップなどで売られているミナミヌマエビもそれくらいのサイズが多いですね。
また、実際に飼育をしてみても、3cmを超える個体を見かけることはあまりなくて、本当にそういった個体が存在するのかどうかも分からない人の方が多いくらいでしょう。
どうすればミナミヌマエビを大きくできるの?
ミナミヌマエビの体長を大きくする方法は簡単です。
水温を一定以上に保ちつつ25度以上の水槽で飼育を行い、動物性の餌を定期的に与える飼育を続けていけば、大きな体のミナミヌマエビが誕生します。
水温が25度以上ですから、一部の地域を除き、夏場の屋外水槽、もしくは室内水槽で温度管理をしている水槽でないといけません。
例外的に、それ以外でも体の大きなミナミヌマエビが出てくる可能性もあるのですが、極端に寿命が短くなっていることが多いため、見かけたと思ったらいつの間にやらいなくなっているのです。
長期的に、体の大きな個体のミナミヌマエビを飼育しようと思ったら、水温と餌がとても重要になるのですが、それ以外の注意点は特にありませんので、他の選別作業と比べるととても簡単です。
動物性の餌については、キョーリンのザリガニの餌を与えておけば大丈夫です。
あとは、数ヶ月間たてば、体の大きなミナミヌマエビが沢山誕生していて、水槽の規模やろ過機能に適切な個体数が水槽内に生存することになります。
体の大きなミナミヌマエビが定期的に死んでいるのを確認できると思いますが、まとめて全滅している場合を除き、殆ど寿命で死んでいると思って構いません。
3cmを超えるミナミヌマエビはメスばかり?
体の大きなミナミヌマエビというのは、その殆どがメスであることが多いようです。
また、3cmを超えるミナミヌマエビのメスが抱卵している卵の数は半端ではありませんので、相当な数の稚エビがそこから誕生することになります。
ただし、水槽のサイズが小さい場合は、その殆どが途中で死んでしまいますが、それを防ぐにはより大きな水槽を用意しないといけません。
ミナミヌマエビというのは、環境に合わせて適切な個体数が生存する様になっているらしく、適切な餌を与えるとか、餌を与えない場合は、勝手に淘汰されていく個体が出てきます。
そうやって、強い個体のみが生き残っていくことを繰り返し、体の多きな個体が地頭的に選別されていくと、その水槽の中のミナミヌマエビは大きな個体のミナミヌマエビだけになるという訳です。
特に意識的にやらなくても、安定した水質の水槽、照明や水温、ろ過が適切である水槽であれば、エーハイムのオートフィーダーで、ザリガニの餌を自動的に与えるだけで問題ありません。
あとは、勝手にその様な巨大なミナミヌマエビだけの水槽になっているはずです。
水草は、マツモとリシア、ウィローモス、同居には、メダカとヒメタニシを加えておくと良いでしょう。
実際に行っている室内用ミナミヌマエビの飼育環境はこちら。