メダカの飼育をしていると、最初はうまくいかなくてもしばらくすると死なせずに育てれるようになり、その後は安定して繁殖をさせれるようになり、やろうと思えば飼育者が意図的に卵や稚魚を隔離して、安定して大繁殖をさせることが可能になります。
そこで生まれてくる全てのメダカの稚魚は、親メダカの遺伝子を受け継いでいる訳ですから、親メダカと同じような色や形状の個体が生まれてくるのが普通です。
親メダカがヒメダカ同士でしたら稚魚もヒメダカが生まれてきますし、親メダカ同士が白メダカでしたら、その稚魚は白メダカといった感じですね。
メダカの場合は見ればすぐに違いが分かりますから、大変判別がしやすいのです。
ヒメダカも白メダカも全く同じ野生の黒いメダカから偶然誕生。
ヒメダカというのは、もともと黒メダカ(野生にいるメダカ)の体が偶然黄色くなったメダカですから、黒メダカとヒメダカは全く同じ種類のメダカであり、その体の色だけが異なる物を固定したものです。
余談ですけど、生物の進化の歴史では偶然2倍のDNAを持った生物が誕生して、特殊個体ですから本来は生き残ることができないくらい体調が弱いのに、それが何らかの影響で生き残り成長をして子孫を残し、現在の人類に進化したと言われています。
一体誰がいつ?、このヒメダカの色を生み出して固定したのか知りませんけど、もうかなり前からヒメダカはペットショップで大量に流通していましたので、その歴史はかなり古いのではないでしょうか?
白メダカとか青メダカに関しても同様であり、元々は黒メダカの色が白くなったり、青くなったりした個体を固定したものであり、こちらについては流通が始まったのは比較的新しいのではないかと記憶しています。
いろいろな色のメダカがいて商品名がついて流通していますけど、全ての大元は黒メダカですし、メダカといえば本来は黒メダカのことを指していたのですが、最近ではメダカ=ヒメダカになりつつあるようです。
ヒメダカの稚魚でも先祖返りで黒いメダカが生まれる?
ヒメダカや白メダカの場合は、自然界で体の色が目立ちすぎて天敵に最優先に襲われますのでまず生きていけませんから、人が管理する環境で生息するのが前提になっているメダカたちです。
そのようなヒメダカや白メダカから、稀に黒いメダカが生まれてきたり、ブチと呼ばれる黒いブチ模様が入ったメダカが生まれてくることがあるのですが、これは先祖帰りと呼ばれているものです。
先祖返りとは、元々の黒メダカの色違いのメダカ達でその色が固定されていたとしても、本来の黒メダカのDNAもどこかに記憶されていて、それが突然復活して元の黒メダカの子孫が誕生するといった状態になることです。
ヒメダカとか白メダカというのは、偶然、体の色が本来の黒色とは異なるメダカが誕生して、長期間においてそのメダカから生まれる稚魚を選別していき固定したものです。
その稚魚を更に選別して、より黄色いメダカとか、より白いメダカの稚魚を掛け合わせていき、そのメダカ達からは同じ色のメダカしか生まれないようにしていきます。
そのため、普通にヒメダカだけを繁殖させているとヒメダカしか生まれてきませんし、白メダカだけを繁殖させていると白メダカしか生まれてきませんが、稀に先祖返りになり、黒メダカの子孫が生まれてくることもあります。
新しい色のメダカを自分で誕生させて固定させてみたい。
偶然、ヒメダカや白メダカが誕生して、現在はそれがほぼ完全に固定されていて、誰でも簡単に入手できるようになったように、現在は流通していない新しい色のメダカを誕生させたいと思うのが人間です。
最近では、光沢の青いメダカとか、極端にオレンジ色が強いメダカとか、色々と新しい色のメダカが誕生して商品として流通していますが、できれば真珠のように美しい光沢ピンク色をしたメダカを見てみたいのです。
そう思って、光沢ピンク色のメダカが誕生するのを心待ちにしているのですが、なかなか難しいと言いますか、ちょっとピンクっぽい色のメダカは誕生するのですけど、光沢ピンク色のメダカになるとまだまだ先の話になりそうです。
掛け合わせに使っているのはヒメダカと白メダカであり、それらから色を選別した個体を適当に組み合わせて複数の水槽で飼育しながら、いつの日か光沢ピンク色のメダカが誕生するのを夢見て日々繁殖活動を行っています。
光沢ピンク色のメダカを誕生させることができるかどうかといえば、可能性は限りなく低いでしょうけど、状況次第では誕生させることができると思っていますので、今後も続けていく予定です。
興味がある方は、ヒメダカと白メダカ、そのハーフ的な色をしたメダカを掛け合わせていると、偶然光沢ピンク色のメダカが誕生するかもしれませんから、ぜひチャレンジしてみてください。
ただ、光沢ピンク色のメダカが誕生しても、色を固定するとなると更に時間がかかりますし、安定してメダカを長期間繁殖させる経験と技術が必要になってきますから、日々稚魚を無事に成長させるような経験を積まれておくと良いでしょう。