ミナミヌマエビが抱卵の舞と呼ばれる、水槽内で一斉に泳ぎ回る行動を取り始める頃、大量の卵を抱きかかえた、メスの個体がそこら中に発生してくることになります。
その際には、当然ながら、大量のミナミヌマエビの稚エビが誕生します。
メダカやタナゴなどの魚が同じ水槽内にいた場合は、この生まれてくる稚エビをかたっぱしから食べてしまう為、殆ど稚エビが水槽内で生き残ることはありません。
ミナミヌマエビの稚エビを大量に見たければ単独飼育が基本
ミナミヌマエビを大繁殖させる場合は、必ず魚とは隔離した環境でレッドビーシュリンプのように、単独飼育を行うことが基本です。
例外的に、オトシンネグロなどのプレコ系の小さな魚、ラムズホーンなどの貝類でしたら、稚エビに危害を加えることはありませんので、同じ環境で飼育をしても全く問題はありません。
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビとは異なり、ゾエアと呼ばれるプランクトンのような形状で卵が孵化するのではなく、最初から親と全く同じ形状の状態で、卵から稚エビが孵化します。
その為、ヤマトヌマエビのように、繁殖の難易度が極端に高いといったことはありませんし、特殊な環境を用意してエビの繁殖をしないといけないこともありません。
早い、簡単、安い、とった牛丼並のハイコストパフォーマンスを誇るペットの代表格がミナミヌマエビになるのです。
ミナミヌマエビの単独飼育水槽であれば、水温と水質の管理さえしっかりとしておけば、年中無休で一年中大繁殖をくり返すことになるエビになる訳です。
そんなミナミヌマエビの稚エビが水槽の中に大発生していた場合は、どのような餌を与えれば良いのでしょうか?
基本的に、ミナミヌマエビの稚エビに餌は不要です。
例えば、オトシンネグロの稚魚が誕生した場合は、実は成体になっている個体とは餌が違う為、コリドラスタブレットや、プレコタブレットを与えているとか、全く餌を与えないでいると、一週間くらいで全滅してしまいます。
魚などでしたら、子供と親が食べる餌が違うといった状況は普通にある為、生まれたばかりの稚エビとか稚魚の扱いは、とても神経を使いますし、実際に飼育してみないとわからないこともあるのです。
しかし、ミナミヌマエビの場合は、そのような心配は一切不要です。
ミナミヌマエビの稚エビの場合は、水草などに生えているコケや微生物などを勝手に食べていますし、体もとても小さいので、特に安定している水槽でしたら、稚エビ専用の餌を与える必要自体が全くありません。
当然、餌が足りなくなると餓死してしまいますから、水槽の大きさに比例して、餌のことは考えないといけませんが、特別な餌を稚エビに与える必要は全くありません。
ミナミヌマエビが増えたら水槽もパワーアップ!
普段通りに、ミナミヌマエビの親エビに与えている餌があれば、それを水槽にいれると、小さな稚エビもいつの間にか集まってきて、そのあたりで勝手に餌を食べています。
ですから、ミナミヌマエビの稚エビを特別扱いをする必要はないのですが、水槽のキャパシティを超えた飼育だけはできません。
あまりにも稚エビの数が多い場合は、水槽を増やすか、サイズを大きくしないと、いつの間にやら、餌を与えていても稚エビはいなくなってしまいますのでご注意ください。
これほど、稚エビから親エビまで、コストもかからずに、餌も特別なものが必要がないミナミヌマエビですから、是非一度、飼育を検討しても良いかもしれませんね。