飼育している魚が産卵活動を始めた場合、新しい個体が誕生する為、飼育者としては大変嬉しいことばかりなのですが、メダカの稚魚の様にどの魚の稚魚も飼育が容易である訳ではありません。
特定の餌しか食べないとか、そもそも稚魚の大きさが小さい為、普通の餌は与えれないとか、生きている餌しか食べないとか、その魚の稚魚によって生態が全く異なりますので、事前にどの様な飼育方法が適正であるかを知っておく必要があります。
その様な状態であっても、殆どの魚の稚魚が好んで食べる餌がブラインシュリンプであり、逆に言えば、魚の稚魚でブラインシュリンプを食べない個体がいるならそちらの方が珍しい位であると断言しても良いくらいです。
オトシンネグロ、インペリアルゼブラプレコ、ネオンテトラ等、他の餌では飼育が大変困難な魚の稚魚であっても、ブラインシュリンプがあればメダカの稚魚の飼育と何ら変わらない位、大変容易に飼育ができる事になります。
専門業者の様に大量のブラインシュリンプを沸かす必要がある?
魚の繁殖をして販売をしている専門業者の様に、本当に凄まじい量のブラインシュリンプを毎日孵化させているのであれば、専用の分離機があったほうが良いのですが、個人レベルで10匹、20匹程度の魚の稚魚の飼育をする場合は、そこまでのブラインシュリンプは必要ありません。
毎回、分離機で時間をかけて卵の殻とブラインシュリンプを分離するのは社会人であれば時間的にも面倒ですし、それを毎日繰り返すのも結構疲れますので、その際にはもっと楽で効率が良い方法はないかと考える訳です。
それで色々と試していたのですが、それほど多くのブラインシュリンプが毎回必要にならず、自分が必要な分だけブラインシュリンプを確保し、余分な卵の殻を分離する良い方法をみつけたので、そちらについて書いてみたいと思います。
ブラインシュリンプと卵の殻を簡単に分離する方法。
簡単に自分が必要な量だけブラインシュリンプを捕獲して、必要のない卵の殻と分離する方法については、ペットボトルからプラケースなどに移しているブラインシュリンプをスポイトで捕獲することから始まります。
ペットボトルからプラケースにブラインシュリンプを水ごと移動させると暫くは卵の殻が水中を舞っているのですが、暫くすると卵のからは浮かんだままになるか、底に沈んだままになっていて、ブラインシュリンプだけが水の中を泳いでいる状態になります。
そして、事前に用意していたダイソーのプラスチックのコップの上に、魚をすくう小さめのネットを乗せて、さらにそのネットの上にティッシュを4枚折りにして乗せた状態で水で湿らせておきます。
あとは、スポイトでブラインシュリンプを捕獲して、そのティッシュの上に中のブラインシュリンプを水ごと落としていけば、ブラインシュリンプはティッシュの上にたまっていき、水はコップの中に落ちていきます。
ティッシュの上にオレンジ色の塊が見えたら飼育水を染み込ませる。
その後は、必要なブラインシュリンプがティッシュの上に集まれば、オレンジ色の塊が出来ていますので、コップの中の水をブラインシュリンプのプラケースに移してから、水槽の水を更にティッシュの上に染み込ませていきます。
これは、ブラインシュリンプを孵化させている水が塩水ですから、一応ティッシュに塩水がついていると淡水の水槽ではよくないかもしれませんから、念のためにやっていますが、別にやらなくても多少の塩分は問題はありません。
ティッシュの上にブラインシュリンプが必要なだけ集まったら、あとはそれをサテライトで隔離飼育している稚魚の水槽にゆっくりと沈めて動かすだけて、ブラインシュリンプが一斉に水槽の中に入っていきますから、とても簡単便利にブラインシュリンプを必要なだけ餌として与えることができます。
余ったブラインシュリンプはまた次回に使えば良いですし、24時間経過しても古い卵の場合は殆どが孵化せず、48時間、72時間後に孵化していく状態ですから、それを考えると、スポイトでブラインシュリンプを捕獲したほうが分離機で一気にやるよりも効率が良いかと思います。