日本原産の変わった魚として有名なのがドジョウなんですけど、何が変わっているかと言えば、ドジョウの場合、水が干上がってしまっても簡単には死なない魚であり、例えば田んぼの水がなくなっても田んぼの土の中で普通に生きていける生命力が有ります。
ただし、条件があって土の中で冬眠状態を保てる環境であれば、また水があふれるような状態になれば普通に活動をし始めますので、水がない状態で完璧に生きていけるわけではなくて、水槽から脱走したドジョウは干上がって死んでしまいますので要注意です。
水がない状態でもドジョウが死なないといった話を聞いて安心して飼育をしてしまって、ドジョウが水槽から脱走して翌日干物になっていたではかわいそうなので、水槽の飼育環境の場合は、ドジョウも水がなくなると死んでしまうと思って下さい。
なぜ?ドジョウは水が干上がっても生きていけるのか?
ドジョウが水がなくなっても生きていける条件としては、例外なく土の中であり、恐らくは身体が乾燥しない条件を保ちながら、太陽の光を遮断しつつ、土の中の湿り気が残っている好条件が発生した際にのみ、その上の水が干上がっても生きていける話です。
この条件で真っ先に思い浮かべるのが田んぼになるかと思いますが、田んぼの場合は春から秋にかけて水を張って稲を育てて、稲刈りが終わると田んぼの水を抜いて土を回復させていきますので、その際には田んぼ水は暫くの間なくなります。
水を抜いた田んぼの土を耕していたら、土の奥からドジョウを発見したことがある人もいるかと思いますけど、土の中でじっと冬眠しながらドジョウは復活するチャンスを狙っているわけなので、適応力はメダカやミナミヌマエビを遥かに上回ります。
ドジョウの生命力は本当に強いですし、条件があるとは言え、水がなくなっても簡単には死なない魚というのはドジョウや古代魚の肺魚くらいではないでしょうか?
肺魚も水が無くなると土の中で冬眠(夏眠)する魚です。
田んぼの場合は、人間が意図的に田んぼを作り、水を張ったり、水を抜いたりしながらその環境を作っており、いつのまにやらドジョウがその環境をうまく利用しているのか馴染んでいるのかわかりませんが、ドジョウからすれば過ごしやすい環境なのでしょう。
何しろ、稲が育ってくるとドジョウの最大の天敵の鳥からは身を守りやすいですし、田んぼの中には餌も豊富にありますし、人間によって管理されている水場なので天敵は鳥くらいしかいない環境のため、完全無法地帯で修羅の国である自然の川などよりは居心地が良くて繁殖がしやすいのかもしれませんからね。
そのような強い生命力を持っているドジョウですが、実は他にもドジョウのように水がなくなっても土の中で生きていける魚がいて、その魚を肺魚というんですけど、肺魚の場合はドジョウよりも相当身体が大きくて、マユのようなものを作ってその中で冬眠(夏眠)を行います。
乾季と雨季の状態と日本の田んぼの環境は大変良く似ています。
肺魚は日本原産の魚ではなく、アフリカなどに生息をしてる魚ですから実際に肺魚が土の中で冬眠をしている現場を確認したことはないんですけど、乾季と雨季があるような国では、状況によって川から水が無くなることが普通にあります。
正確に言えば、雨季で川が氾濫を起こし、そこで川が拡大をしていき、一時的に魚のパラダイスが発生して一斉に魚が行動範囲を広げていくことになるんですけど、その後の乾季がやってきて、本来の川の状態に戻ることになります。
その際に、雨季で大きく活動範囲を広げた魚が干上がって死んでしまい、ピラニアなども多くの個体数が他の動物などの餌になっていくんですけど、肺魚の場合はそのまま土の中に潜ってまた雨季がやってくるまで冬眠をして生きていきことが出来ます。
人間が自然にこれと同じ状態を作り出しているのが日本の田んぼですから、水がなくなっても生きていけるドジョウの飼育をする際には、田んぼの土である荒木田土を使ってドジョウの飼育環境を作っておけば、もしもの場合でもドジョウは生きていけるのかもしれません。
私の場合はドジョウの飼育は全て荒木田土を使って行っているんですけど、半年に1回、最低でも1年に1回は全て入れ替えないといけませんので、それが若干面倒に感じる今日此の頃です。