メダカの飼育をしていると次第に飼育と繁殖のコツが分かってきますので、その後は管理者がやろうと思えば簡単に稚魚を増やすことができるようになるのですが、無制限に増やすことは設置することが出来る水槽の限界もありますから容易には行なえません。
その為、産卵した卵は孵化させたいけど、もうメダカを飼育するための水槽が用意できない場合は、繁殖を諦めて親メダカの餌にするしかないのですが、これだけ増えたメダカを近くの自然の河川等に放流したらどうだろうと思う人もいらっしゃるでしょう。
基本的に、そこで採取したメダカのみを飼育繁殖させて、その個体を方再度放流するのであれば問題がないとされていますが、他の地域や出処が分からないメダカを放流してしまうと、その地域の遺伝子を持ったメダカがいなくなるのでよくないと言われます。
卵から孵化させたメダカを野外の川に放流出来るの?
卵から孵化させたメダカを野外の河川に放流することについての遺伝子汚染等の倫理観は別の話として、実際に自宅で卵から孵化させて育てたメダカを自然の河川に放流した場合、殆どが生きていくことが出来ずに自然淘汰されてしまう可能性が高いです。
人間が国際結婚をすると国際交流とかってもてはやしておきながら、メダカが国際結婚に近い状態で交配していくと、遺伝子汚染って避難するのは人間のエゴとしか思えない部分もあるのですが、このあたりについては個人の主観が大きく左右する話です。
何しろ、お金になると思えば、本来そこにいない外来魚であるブラックバスを積極的に湖などに放流して、既存の生態系を破壊しまくっている漁業団体等も普通にありますが、それについては遺伝子汚染よりも遥かに問題であっても誰も避難すらしません。
人の姿を見たら喜んでよってくるメダカは自然では生きれない?
特に室内で育てているメダカを見ればわかりますが、まったく天敵がいない状態で稚魚の頃から飼育者が餌を与えて育てていると、成長したメダカは飼育者が水槽に近寄ってくると餌が沢山食べれることを学習してすぐに水面近くに集まってくる状態です。
メダカにも一定の知能と学習能力がありますので、飼育者が愛情を持って育てるほど、飼育者になつく状態になり、人影が水槽に近寄ってくると一斉に全てのメダカが口をパクパクさせて水面に集まり、餌を頂戴って仕草で尻尾をフリフリして泳いできます。
この状態のメダカをいきなり自然界の河川に放流した場合、どう見ても生き残れるとは思えませんし、運良く天敵がいない環境で大量に放流をした場合は生き残れるメダカもいるのかもしれませんが、その生存率は極端に悪くなることが予想されますね。
放流をするなら屋外の水槽で育てたメダカの方が生存率が高い。
自然界に放流することを前提にしてメダカを繁殖させる場合、室内の水槽で育てたメダカは屋外や自然界では生きていけなくなる可能性がありますので、最初から屋外の常温環境で育てたメダカを放流するつもりで育てた方が良いので、屋外飼育がお勧めです。
室内で水槽クーラーや水槽用ヒーターを使って、徹底した水温管理とろ過フィルターを使ってクリーンな環境を構築している水槽で育てたメダカは、もうその環境が当たり前になってしまっていることも多く、屋外や自然の環境に適応出来ない場合があります。
絶対にそうなる訳ではありませんが、将来的に繁殖をさせて自然界に放流をするメダカの場合は水温管理等をしていない、より自然に近い屋外の水槽で育てておいたほうがいろいろな環境に適応できやすいので、発泡スチロール等で育てていくのが良いですね。